プーチン氏「ロシアは敵探さない」

ウラジーミル・プーチン大統領の年次教書演説=

ウラジーミル・プーチン大統領の年次教書演説=

AFP/East News
 ショーではない反汚職、求める友、検閲への批判...。ウラジーミル・プーチン大統領の年次教書演説のポイントをロシアNOWがまとめた。

 プーチン大統領は1日、近い将来のロシアの方向性を定める年次教書演説をクレムリン(大統領府)で行った。今年は社会政策に多くの時間を割き、例年のような外交政策中心にはしなかった。演説の中で、経済の成長、欧米との融和の重視を呼びかけた。

 

外交政策

 「我々は敵を探しておらず、探したこともない。我々に必要なのは友。ロシアの国益を損なうようなことを許さず、海外からの指図や助言なしに、自力で発展していく。ロシアには対話への用意がある」

 「我々は対話を歓迎している。選ばれた人ではなく、すべての人のための安全と発展を支持する。国際法を支持する」

 「東の隣国、日本との質の高い関係発展に期待している。日本政府がロシアとの経済的なつながりを発展させ、共同事業、共同計画を始めようとしていることを歓迎する」

 「アメリカの新政権とは、互恵的な協力をする用意がある。我々には世界の安全保障に対する共通の責任がある」

 「今年、ロシアは海外からの強い圧力を実感した。ロシアの侵略に関する空言、ロシアのアスリートにまでおよび、手あたり次第であった。ところで、ロシアでは新しい反ドーピング・プログラムが、来年初めにもできあがる」

 「検閲していると我々を非難していたのに、今や自分たちが検閲をやっている」

 

経済と制裁

 「2年前、ロシアは経済制裁を受けた。だが経済減速の主な原因は、我々にある」

 「経済制裁は永遠には続かないし、消費者は市場の競争を必要としているため、このような状況を活かす必要がある。(中略)ロシアに発展を『後回し』にしている余裕はない」

 「今日、農産品の輸出は武器の輸出よりも多くをもたらしている。経済のこの部門は『ブラックホール』と呼ばれていたが、そうでないことが判明した。(中略)2015年、ロシアは農産品を162億ドル分販売したが、今年はこれ以上になる」

 「主な問題の1つは、保護貿易主義の高まり。他の国の市場に参入するために、闘いを強化する必要がある」

 プーチン大統領は、「2019~2020年頃には」経済成長率の面で世界を追い越せるような行動計画を策定するよう、政府に求めた。

 

経営環境

 「2014年、ロシアは企業の納税条件を4年間固定することを決めた。これは企業活動に良い影響を与えた」

 「事業の調査件数は減少すべきであるのに、増加している。(中略)『誰が』、『誰を』、『いつ』調査しているのかというデータが公開されるようになる」

 「まじめに事業を行っている誰もが、国と社会に支持されていると感じられるようにすべき。可能性を制限し、人権を侵害するものすべてが不公正である」

 

汚職

 プーチン大統領は、国家公務員のほとんどが国のために働く、正直で誠実な人であることを強調した。

 「役職や功績は掩護にならない。だが、裁判所の判決が出るまで、有罪か無罪かの判断を誰もすることはできない」

 「汚職との闘いは、ショーではない。プロ意識が必要である。(中略)残念ながら、いわゆる反響の大きなできごとをめぐり、情報を濫発させることが普通になってしまった。そして、これを行っているのが捜査機関、法執行機関の関係者であることが多い」

 

検閲

 「自分を他の人よりも教養のある、知的な人間だと考える人がいるならば、他の人に尊敬の念をもって接してほしい。社会で物議をかもした(中略)問題に、過激な反応をすることは受け入れ不可能だと考える。文化、政治、マスメディア、経済問題の討論において自分の立場をオープンに表明することを、禁止できる者はいない」

 

市民社会と価値観

 「直接民主主義の発展路線は続く」

 「ロシアのすべての政策の目的は、人々の保護である。したがって、我々は家族を含む伝統的な価値観を維持すべく努力している」

 「学校では大変多くの実験的試みが行われている。これを慎重に行う必要がある。研究作業、エンジニアリング作業が実施されている。テクノパークは全国の学校発展の基盤になる」

 「我々の時代の特徴は、市民の慈善活動への幅広い関与である。市民は自分の心に従い、誠実かつ無私無欲で支援を行っている。(中略)(役人の皆さん)お願いだから、出し惜しみしないでほしい。(中略)自分の職場で出される提案は最高の提案だと確信できるだろうか?」

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