在モスクワ・アメリカ大使館=
ゲンナヂィー・ハメリャーニン撮影/タス通信アメリカの新聞「ワシントン・ポスト」は6月末、在モスクワ・アメリカ大使館の職員の一人が暴行を受けたとする記事を掲載した。
ロシア外務省のマリヤ・ザハロワ報道官によると、6月6日の夜、アメリカ大使館の施設で、「帽子を目深にかぶった正体不明の男が入口に向かって飛び込んだ」という。当直の警官がその場で男の書類を調べようとしたが、男は書類を提示せず、警官の顔を肘で叩いたという。このもみ合いで、男は警官を突き放し、大使館に隠れた。
ザハロワ報道官は、この男が実際には、CIA(中央情報局)の職員だったと伝えた。男はこの夜、変装して諜報活動を行い、戻ってきた。
その後、ワシントン・ポスト紙が社説を掲載。その中で、6月6日夜に大使館にいたアメリカ人外交官は、実際にアメリカの特殊機関の職員であった可能性を指摘している。ワシントン・ポスト紙は当局者2人の話として、職員が外交的隠れ蓑すなわちアメリカの国務省の職員を装ってロシアで諜報活動を行い、FSB(ロシア連邦保安庁)に拘束されるのを避けるために大使館へ避難した可能性があると記している。アメリカのジョン・カービー国務省報道官は、この件についてのコメントを避け、「その人物は公認のアメリカ外交官」と話している。
カービー報道官によると、「モスクワでは治安当局側からの追跡や監視が強まっているが、アメリカはこれを全く受け入れられない」という。
このモスクワでの一件に、アメリカはロシアの外交官2人を国外追放することで対抗した。カービー報道官は7月8日、2人を6月17日に退去処分にしたことを発表した。
ロシアのセルゲイ・リャプコフ外務次官は、在ワシントン・ロシア大使館の職員2人が、「いかなる苦情の提示もなしに」、実際に国外退去を求められたことを認めた。これに続いて、アメリカの外交官2人も出国したという。「2人は外交官の地位にふさわしくない活動により、『好ましからざる人物』に指定された」とリャプコフ外務次官。
同時に、アメリカに「攻撃的な反ロシア路線の誤りを認識してもらえれば」と希望を述べた。「アメリカがさらにエスカレートするならば、対抗なしとはならない」とリャプコフ外務次官。
*記事全文(露語)
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