プーチン大統領とメドベージェフ首相=
ロイタ通信ルカシェンコ大統領は2月25日、ベラルーシの首都ミンスクで行われたプーチン大統領率いるロシア代表団との会談で、名前の呼び間違いをしてしまった。プーチン大統領の脇のイスに座りながら、突如、「尊敬するドミトリー・アナトリエヴィチ」と呼んだのである。すぐに「尊敬するウラジーミル・ウラジーミロヴィチ(プーチン大統領の名前と父称)」と言いなおし、少し離れた場所に座っていたメドベージェフ首相にも挨拶をした。
アレクセイ・ドルジン撮影/タス通信
ルカシェンコ大統領は、「さっきまでずっと(メドベージェフ首相と)レシピについて話していたもんだから」と言い訳をした。2人が一体どんなレシピについて熱心に議論していたのかは、謎のままだ。
2014年11月に中国の首都北京で行われたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の場でのプーチン大統領のふるまいも、騒動になった。サミットの開会式が行われたのはスタジアム。中国の習近平主席の彭麗媛夫人が寒そうにしているのを見て、プーチン大統領は夫人の肩に毛布をかけた。習主席はこの時、アメリカの関係者と熱心に話をしていた。
彭麗媛夫人は感謝の意を表したものの、ほぼすぐに毛布をはずしてSPに渡し、コートをはおった。この場面を中国や世界のマスコミが一斉に報じた。中国の女性は、男性からのこのような接触、特に外国人からの接触を、受け入れられないのだ、という記事が多数書かれた。
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クレムリンからは大統領報道官がこれに対処。あのような場合、誰でもプーチン大統領と同じようにふるまっただろうと述べた。「伝統であろうとなかろうと、女性であろうとなかろうと、寒さは誰にとっても同じ。毛布をかけたのは、誰でもしたであろう普通の自発性、普通の行い」と、ドミトリー・ペスコフ報道官はプーチン大統領の礼儀正しさに対する批判をばかげていると言いながら、説明した。
最近、プーチン大統領関連の別のエピソードが明らかになった。ドイツのアンゲラ・メルケル首相と2007年にロシア南部のソチで会談した際、プーチン大統領はペットのラブラドール、コニを連れて行った。
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実は犬恐怖症だったメルケル首相。コニが近づくたびにうろたえていた。プーチン大統領はコニが噛みつかないことを説明して、不安を取り除こうとしたが、結局リードにつなぎ、叩かなくてはならなくなった。西側のマスコミは、プーチン大統領はメルケル首相の犬嫌いを知っていたはずだ、と書いた。だがプーチン大統領は今年1月、ドイツの「ビルト」紙の取材に対し、知らなかったと説明。メルケル首相に謝罪した。
国際的な騒動の当事者には、前任者メドベージェフ大統領(当時)もなっている。2012年3月に韓国の首都ソウルで行われた核安全保障サミットで、ロシアとアメリカの首脳がプライベートな会話をした。両大統領はマイクが近くにあるのではないかと疑うことはなかった。「これは私の最後の大統領選挙。選挙が終われば演習にはもっと余裕ができる」とアメリカのバラク・オバマ大統領は話した。つまり、大統領選が終われば、ロシアが懸念しているアメリカのミサイル防衛プログラムをもっと柔軟にできる、と漏らしたのだ。「わかった。ウラジーミル(プーチン首相)に伝えておく」とメドベージェフ大統領。
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2012年のアメリカの大統領選で、オバマ氏と争った共和党のミット・ロムニー氏は、ロシアに譲歩する構えを見せたと非難。それでもロムニー氏は当選しなかった。
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おかしいながらも、将来を暗示するようなエピソードは、オバマ政権発足まもなく行われたロシアとアメリカの外交トップの会談で起こった。
2009年3月、就任したばかりのアメリカのヒラリー・クリントン国務長官は、今後の両国の関係を白紙からやり直そうという意味を込めて、英語のリセット(再起動)という言葉のついた大きな赤いボタンを、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相に贈った。ロシア側にもわかるようにと、ボタンにはロシア語の単語「ペレグルースカ」もローマ字表記されていた。ラブロフ外相は、リセットは正しくはロシア語で「ペレザグルースカ」だと指摘。意味を理解したクリントン国務長官は大笑いした。
とても似ている二つの言葉であるが、「ペレグルースカ」という言葉には、何らかのプロセスの重荷となり、不具合を引き起こすオーバーロード(過負荷)という否定的な意味合いもある。
エグアルド・ペソフ撮影/ロシア通信
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