アルチョーム・クレミンスキイ撮影/ロシア通信
日本の鳩山由紀夫元首相は、3月10日にクリミアに到着した。同氏は、自身の訪問の目的はロシア連邦への編入後の「クリミアの人々の様子」を知ることである、と述べた。同氏によれば、日本では「クリミアにおける出来事がありのままの形で伝えられていない」。「ここで、私は、2014年3月16日の全クリミア住民投票が平和裡に民主的な手続きに沿って実施されクリミアの人々の現実的な意思表示となったことを、知った」と同氏は述べた。鳩山由紀夫氏は、制裁という状況において自分の行動は日本の当局によって「あるまじき行為」とみなされている、と語ったうえで、クリミアのロシア連邦への編入は「米国によって日本政府へ押しつけられた公式の姿勢というプリズム」を通さずにもっと視野を広げて見る必要がある、と述べた。元首相は、「同半島における住民投票の平和的な実施」に関するものを含むクリミアについての真実を日本の社会へ届けることを、自らの主な使命とみなしている。
クリミア国家会議の報道係で「コメルサント」紙に明らかとなったところでは、訪問のプログラムは、シンフェロポリに在るロシア連邦外務省の代表部で作成され、ロシア連邦大統領付クリミア常駐代表のゲオルギイ・ムラードフ氏が、鳩山氏の受け入れを担当した。日本の元首相は、クリミアの主都から政府専用車でヤルタへ移動し、現地のリヴァディア宮殿で1945年のヤルタ会談に関する展示に接し、ヤルタの行政長官であるアンドレイ・ロスチェンコ氏が、来賓歓迎のレセプションを催した。
11日、鳩山由紀夫氏は、シンフェロポリのクリミア連邦大学の学生たちと交流した。同氏は、日本はもっぱら「米国の圧力のもと」ロシア連邦に対する制裁を実施した、と語った。訪問の初めに、鳩山氏は、自分は「その美貌の崇拝者」であるとしてクリミアの検事総長ナタリア・ポクロンスカヤ氏との面会が叶わないことをこぼしていた。11日、同女史は、日本の元首相とクリミアの指導者らとの会合に在席した。ポクロンスカヤ氏は、クリミアの露日友好協会の会長に就任するが、これは、鳩山氏がクリミアの検事総長が「日本で人気抜群である」ことを伝えて要望したもの。日本の政治家は、同自治共和国の要人らとも認識を共有したが、なんでも、クリミアのセルゲイ・アクショーノフ首相は同共和国の相撲協会の会長とのこと。
社会経済政治研究所・クリミア支部のアレクサンドル・フォルマンチューク支部長は、「これほどの人物は、この一年クリミアを訪れておらず、ただ単に来訪するわけではない。このことは、2014年3月にクリミアで起こったことの不可逆性を西側が徐々に認めていることを物語っている。」と述べる。また、ロシア政治学者協会の会員であるニコライ・クジミン氏は、欧州諸国の元の指導者たちがクリミアのロシア連邦への編入について肯定的な発言を行っている点を指摘している。
この一年間にクリミアを訪れたもっともステータスの高い外国の客人として、まず、スロヴァキア人のフランティシェク・ラウリンツ執行委員を団長とするUEFA(欧州サッカー連盟)の代表団の一行を挙げることができる。彼らは、サッカーの競技施設を視察し、8チームで争われるクリミアにおける個別の大会の組織について協議した。また、ジンバブエのセイヴィオル・カスクヴェレ環境水資源気候相も、クリミアを訪れ、同氏は、制裁に耐える経験を分かち合う用意があると声明した。極右政党「フランスのための運動」のフィリップ・ド・ヴィリエ党首は、クリミアに公園を建造することを約束した。日本の新右翼団体「一水会」の木村三浩代表は、9月14日のクリミア国家会議およびセヴァストポリ議会の選挙日に「外国の客人」としてクリミアを訪れ、選挙は「民主的に実施された」と述べた。10月には、イタリアの野党「北部同盟」のマッテオ・サルビーニ党首が、同半島を訪れ、EUの制裁の撤廃を目指して闘うと声明した。
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