合意を目前にしたイランと「6ヶ国」

ロイター通信撮影

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先週、スイスのモントルーで、イランと「6ヶ国(国連安保理常任理事国5ヶ国+ドイツ)」によるイランの核開発計画をめぐる協議の新たなラウンドが実施された。協議では枢要な問題に関して歩み寄りが見られ、3月末までに枠組み合意が調印される可能性が高まってきた。

 遂げられた進展については、アメリカのジョン・ケリー国務長官およびEUの官僚ばかりでなくイラン側も声明している。イランのアッバース・アラークチー外務次官は、こう述べる。「われわれは、6ヶ国とひじょうに有益な交渉を行い、これまで以上の一定の進展を遂げた。」

 ロシアの連邦会議(連邦議会上院)国際問題委員会のメンバーであるイーゴリ・モローゾフ上院議員は、こう述べた。「イランは、自国の核プログラムの結果として陥った袋小路を脱した。」

 専門家らも、同様の見方をしている。ロシア科学アカデミー東洋学研究所・上席研究員でイラン学者のウラジーミル・サージン氏は、ロシアNOWの記者にこう語る。「私たちが2013年11月から目にしているような進展は、イランの核プログラムが現れて以来これまでの12年間を通じて見られなかった」。

 こうした楽観の理由として、何よりもまず、全般的な話し合いから原則的な合意達成への移行を挙げることできる。ロシア科学アカデミー東洋学研究所のスタニスラフ・プリトチン研究員は、ロシアNOWの記者にこう説明する。「将来の包括的合意の細部や側面の調整が図られた。交渉参加者の控えめな評価から判断すると、プロセスは、かなり建設的に進行している。」

 さらに、控えめな評価は、まさに、双方とも脅威に晒したくないと考える進展の証しとなりえる。ウラジーミル・サージン氏は、こう述べる。「イランでも米国でも、影響力のある勢力が、合意に反対している。こうした反対派を刺激しないように、双方は、今回の協議の結果を公表しないことを決めた。」

 しかし、どのような問題に関して相互理解が達せられたかについて、一定の結論を導くことができる。ウラジーミル・サージン氏は、こう語る。「問題となっているのは、IAEA(国際原子力機関)がイランの核プログラムの厳格な監視を実施してイランが自国の核インフラを発展させることのない期間である。3年から25年まで、選択肢はいろいろあった。最近の提案の一つは、10年であり、未確認のデータによれば、イラン側には、それを受け入れる用意がある。」

 おそらく、アラクに建設中の重水炉に関して、妥協点が見いだされよう。中間的なデータによれば、双方は、年間1,5キログラム以上のプルトニウムを生産できないように原子炉の構造に修正を加えることで合意した。

 現時点で歩み寄りが見られていない問題もあるが、それらは、さほど重要なものではない。たとえば、ウラン濃縮用の遠心分離器の数に関する点である。ウラジーミル・サージン氏は、こう語る。「イランにある遠心分離機は、主として第一世代のものであり、それらで構成されるカスケードの生産性および効率は、さほど大きくなく、本質的には、6500基であれ9500基であれ、遠心分離機がイランに幾つあろうが、何ら差はない。それゆえ、この面での合意は可能である。」

 もう一つの争点は、制裁解除のメカニズムである。今のところ、アメリカの議会は、共和党にコントロールされており、バラク・オバマ大統領は、米国による制裁の完全な解除をイランに保証できていない。しかし、セヴァク・サルハニャン氏の考えでは、イランにはそれはさほど必要ではなく、イランと米国のあいだの経済関係は、かねてから最低の水準にある。イランにとって重要なのは、イランとEU諸国をはじめとする第三国の貿易を妨げている制限をオバマ氏が自らの決定によって撤廃することであり、そうした決定は、まさに大統領の専権事項である。

 主たる争点の解決のほかにもう一つ、合意の締結を促しているのは、時間が限られていることであり、枠組み合意は、3月24日までに達成されなくてはならない。ウラジーミル・サージン氏は、こう語る。「双方は、この決定に自らの政治的威信をかけているので、最終的合意の調印を達成するためにできる限りのことをする。」セヴァク・サルハニャン氏は、こう付言する。「ロウハーニー氏は、もっとも重要な社会的経済的問題の解決を公約に掲げて政権の座に就いたが、制裁の解除なしにそれを実現することはできない。」