ウクライナ情勢9/17報道

ロイター通信

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ウクライナ最高会議は16日、義勇軍の管理下に置かれているドネツィク州とルハンシク州の地域に、「特別な地位」を3年間付与することを定めた法案を可決した。これは幅広い地方自治、独自の警察隊の管理、経済支援、公用語としてのロシア語の使用を認めるもの。この法案ともう一つの法案「政府浄化について」、EUとの「連合協定」の批准などについて報道されている。

 「ガゼータ・ル」は、義勇軍の指導者がこの「ペトロ・ポロシェンコ法」を支持したと伝えている。

 この法案は広く討議されることなく、突然発表された。ウクライナ軍が勝利を収めるまで東部で「反テロ作戦」を続けることを支持していた、最高会議の議員らは、これに激怒。「急進党」のオレフ・リャシコ党首は法案の採択を「今世紀最大の詐欺」、法案の文章を「クレムリンで書かれたもの」だと非難し、民族主義政党「自由党」のオレフ・チャフニボク党首は「ロシアへの降伏」と反発した。

 政治学者のアレクセイ・マカルキン氏は、ウクライナにはこの法案を可決する以外の選択肢がなかったと考える。「反テロ作戦」の継続は「事実上のロシアとの戦争であり、その資源はない」のが理由。

 法案可決はロシアで歓迎されたものの、東部では意見がわかれている。ルハンシク人民共和国のイーゴリ・プロトニツキー首相は「全体的に義勇軍の要求を満たしている」と述べたが、多くの野戦指揮官が、ミンスクの合意は東部独立のために戦い、死んでいった人々を裏切るものだと反発している。

 

 「エクスペルト」誌は、可決された法案が内戦の平和的解決の余地を与えていると伝えながらも、和平実現の難しさを指摘している。

 具体的にどこの領域に特別な地位が与えられるのかがはっきりしていないなど、未定の問題がある。

 政治学者のアレクセイ・マルトィノフ氏は、「これは法律というより意向表明書」と述べている。また、総選挙後のウクライナ最高会議には、「反テロ作戦」支持者が多数議席を確保することが予期されているため、和平に向けた動きはなくなる可能性もある。

 

 「コメルサント」紙は、別の法案「政府浄化について」が16日、ウクライナ最高会議で採択され、3回目の試みでようやく可決されたと伝えている。

 この法律は、国家または地方自治の機能を果たす権限を持っている者、すなわちほぼすべての政治家および役人を調査することを定めている。

 ビクトル・ヤヌコビッチ政権時代の2010年2月25日から2014年2月22日まで役職についていた者、分離独立主義を公に呼びかけていた者、自分の活動または非活動が人権および主な自由の侵害となった者、1991年までソ連共産党の管理職についていた者、ソ連KGB第5局の職員、ソ連の保安機関の協力者は、事前に調査の不合格者とされ、職務から解任される可能性がある。

ウクライナの政治学者ドミトリー・ジャンギロフ氏は、この法律を「独立広場およびその関係者に反対した者への現実的な復讐手段」、「ウクライナ政府の多くの関係者にとってキャリアの自殺行為」と考えている。

 

 「ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)」は、ウクライナ最高会議が欧州連合(EU)との「連合協定」を批准したと伝えている。

 登壇者の誰もが批准の政治的意義の大きさ、途上の改革の必要性、EUが理解しているウクライナの固有性について熱く語った。アルセニー・ヤツェニュク首相はこう述べた。「350年前に犯してしまった過ちを我々は修正している。この協定に流血が伴ったことは残念。だが自由と民主主義のための犠牲である。これはヨーロッパの道のりへの始まり」

 ただし、EUとの自由経済圏の活動は2016年まで始まらない。その理由はヨーロッパから免税製品が流入して、ウクライナ市場が崩壊する可能性があるからだ。ウクライナ最高会議の批准と並行して、EUも協定を批准。欧州委員会のシュテファン・フューレ拡大担当委員は、連合協定の経済部分の実現延期はウクライナ側からの要望であることを説明した。