ウクライナ情勢9/3報道

セルゲイ・マモントフ撮影/ロシア通信

セルゲイ・マモントフ撮影/ロシア通信

ウクライナ東部で行方不明になっていたジャーナリスト、ウクライナ情勢に関連したロシアの国防政策の見直し、ロシア産ガスの問題などについて報道されている。

 「ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)」は、8月5日にウクライナで消息を絶っていた国営通信「ロシア・セヴォドニャ」の報道写真家アンドレイ・ステニン氏が、遺体で発見されたことを伝えている。

 ロシア連邦捜査委員会のウラジーミル・マルキン報道官は、ステニン氏の死亡を正式に認めた。ステニン氏がウクライナ軍の捕虜になっているという説なども出ていたが、正しくなかった。

 ウクライナ東部のドネツィク州スニジネ市からドミトリフカ村に向かっていた避難民の車列が8月6日、ウクライナ軍によって銃撃、破壊されたが、ステニン氏はこの車列の1台「ルノー・ローガン」に乗っていて巻き込まれた。ロシア連邦捜査委員会は刑事事件として、死亡した状況を調べるとともに、刑事責任を負う具体的な加害者も探す。

 ウクライナで軍事衝突が始まってから、南東部で死亡したロシア人ジャーナリストは、ステニン氏で4人目。

 

 「ガゼータ・ル」は、軍事的脅威の変化により、ロシアの国防政策が見直されると伝えている。

 ロシア連邦安全保障会議のミハイル・ポポフ副書記は2日、国防政策の見直しを発表した。ウクライナ情勢の影響が反映されることは間違いない。恐らく、外部から治安が不安定化される危険、すなわち「オレンジ革命」の脅威についてであろう。

 また、ウクライナ情勢によって関係が凍結された北大西洋条約機構(NATO)もそうだ。2010年に定められた既存の国防政策に含まれているNATOとの協力は、ロシアと欧米の関係悪化により、新たな国防政策から外されるだろう。また、ロシアの安全を脅かす、アメリカによるヨーロッパへのミサイル防衛システム配備にも注意が向けられる。

 戦略・技術分析センターのルスラン・プホフ所長は、「ウクライナ情勢が終焉しても、NATOとの関係は元のようにはならない」と話す。ただし、ロシアとNATOの協力の扉を完全に閉ざすわけではないという。プホフ所長によると、国防政策は「より厳しいが、同時に外交的」になる。

 

 「独立新聞」は、ウクライナ政府がロシアからのガス輸入の問題について、条件を提示したことを伝えている。

 主な要求は、ヨーロッパの市場価格から割り引きをして、ロシア産ガスの価格を大きく値下げすること、またヨーロッパ向け通過ガスに関するロシアとウクライナの契約を見直すことだ。ウクライナは現行価格が不当で、ロシアの国営天然ガス会社「ガスプロム」に、60億ドル(約6000億円)を余分に払っていると考えている。ウクライナの声明から判断すると、ウクライナはガスプロムへの債務を認めておらず、ストックホルム商業会議所仲裁裁判所で争うことを希望しているようだ。

 ガスプロムがウクライナの要求を受け入れ、値下げに合意するシナリオは、ほぼあり得ないと専門家は考える。ウクライナがロシアに求めているのは、ヨーロッパ市場の価格よりも安くガスを売ることであり、ロシア側には受け入れ難い。国家エネルギー研究所のセルゲイ・プラヴォスドフ所長は、ロシアとのガス問題悪化に関係のある政治勢力が上に立っていることによって、条件が厳しくなったのではないかと考える。