ウクライナ情勢8/28報道

アレクサンデル・マクシメンコ

アレクサンデル・マクシメンコ

 コメルサント紙は、こう伝えている。「ドネツィク(ドネツク)人民共和国」の武装部隊は、アゾフ海方面へ進軍し、マリウーポリ近郊のノヴォアゾフスクを掌握した。現地からのリポートによれば、ウクライナ軍は、事実上戦火を交えずに町を明け渡し、同紙の特派員は、「境界は開かれ、私たちは難民を含むすべての希望者を双方向へ通行させている」との人民共和国の民兵の談話を伝えている。民兵側は、戦車その他の戦闘車両を保有しており、同共和国の部隊は、ドネツィク州第二の都市マリウーポリへの進軍を続けている。南部のウクライナ軍の拠点への進撃は、実に大規模な性格を帯びつつある。

 

  ロシースカヤ・ガゼータ紙は、こう伝えている。蜂起勢力が反撃に転じた南東部における状況の悪化に関連して、ウクライナ当局は、倉庫にあるすべての兵器を国の東部へ差し向ける意向である。ウクライナ政府の指令では、「第三および第四のカテゴリーのすべての兵器を追加の許可および同意なしに修理もしくは整備すること」と述べられているが、それらのカテゴリーには、修理が必要な兵器や老朽化した兵器が該当し、政府のそうした措置は、大きな損失に起因するものと思われる。


 ガゼータ・ル紙は、こう伝えている。ここ数日、メディアは、2014年夏に何らかの状況の下で死亡したプスコフの軍人たちの葬儀をめぐる状況について報じている。一説によれば、第76師団の空挺部隊員たちはウクライナで非業の死を遂げた可能性があるが、これに関する公式の報道はない。ロシア人権評議会のミハイル・フェドートフ会長は、同評議会は最高検察庁にプスコフにおける状況の調査を求めている、と語り、独自の調査を進めているプスコフ州のレフ・シロスベルグ議員は、ウクライナでの紛争におけるプスコフの師団の損失は100~160名にのぼりうる、としているが、同議員は、その証拠をつかんではいない。ドミトリイ・ペスコフ・ロシア大統領報道官は、8月27日の晩、ウクライナにおけるロシアの空挺部隊員たちの非業の死をめぐる情報は追加の検証を要する、と声明した。

 

 モスコフスキイ・コムソモレツ紙は、こう伝えている。ウクライナ当局の代表らも、ウクライナ南東部における武力紛争にロシアの軍人が参加しているとの噂を煽っている。ウクライナ内務省のゾラン・シキリャーク参事官は、ドネツィク人民共和国の民兵らのマリウーポリへの進撃とロシアの軍事支援を関連づけ、「ウクライナ領へのロシア軍の本格的な軍事侵攻が生じた」と述べている。一方、ドネツィク人民共和国のアレクサンドル・ザハルチェンコ首相は、現在の状況をコメントするなかで、民兵に味方してロシア人が戦ってはいるものの、もっぱら義勇兵(予備役もしくは休暇中の常備兵を含む)である、と述べた。

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