ロイター通信撮影
捕虜の交換
新たな協議でウクライナ問題の解決の糸口は見つからなかった。捕虜の交換もそれぞれの側から20人ずつと限定的で、全員の交換とはならなかった。
ドネツィク人民共和国のアンドレイ・プルギン副首相はこう話した。「無作為に20人を選んで交換した。このような技術的な問題は電話やスカイプで解決することも可能で、わざわざベラルーシに場所の提供をお願いして会談するほどではなかった」
プルギン氏によると、協議が行われている時、マレーシア航空ボーイング777型機の事故現場には、オランダとオーストラリアの警察のグループが入った。グループはウクライナ軍に協力する可能性もあるという。
「協議は継続せず、今後の話し合いは今のところ予定されていない。キエフ側は協議を隠れ蓑にしながら、外国人要員(オランダ警察700人、オーストラリア警察1500人)を事故現場から100キロメートル離れた場所に呼んだ。その狙いは不明。777型機の事故現場は我々の管理のもと、非武装化されている(すべての封鎖拠点が外され、部隊もいない)。しかしながらウクライナ側は、100キロメートルの非武装化に合意する代わりに、作戦状況を変えてしまった。事故現場は射界にあり、近くでは激しい戦闘が行われている」
ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領はベラルーシの協議が始まる前、義勇軍にとらえられたウクライナの軍人全員の解放と、777型機の事故現場での国際的な専門家グループの作業の安全性について話し合いを行う予定だと述べていた。
専門家の意見
ロシア科学アカデミー世界経済・国際関係研究所国際安全センターのアレクセイ・アルバトフ所長は、ロシアとアメリカからの直接的な政治圧力がなければ、情勢は終わらないと話す。
「アメリカ、EU、ロシアの指導者から対立の両当事者への影響があって、初めて協議のプロセスで成果をだせる。こうなった時に、この残酷で無意味な内戦が終わると考えることができる」
欧州安全保障協力機構(OSCE)側からのロシアとウクライナの国境検問所などの定常モニタリングや、大規模な協議プロセス開始のための即時停戦が必要だという。
「その後で義勇軍の武装解除やウクライナ軍の撤退についての協議を行うことができる。また、ドネツィク州とルハンシク州を経済、社会的権限を拡大したウクライナの特別な自治体として認めることについて、話し合いも必要。これがなければ政治的進展は難しい」とアルバトフ所長。
ウクライナの政治学者である、体系的分析・予測センターのロスチスラフ・イシチェンコ所長は、共通の接点があって、初めて協議で成果を出せると考える。
「大統領には義勇軍を降伏させるための『ポロシェンコ計画』があり、義勇軍には人民共和国の承認と独立についての要求がある。どちらも双方の条件を受け入れられない。義勇軍については、ウクライナ政府が何を保証しようと、ウクライナの国家親衛隊と『右派セクター』が降伏の受け入れに来る。南東部の独立をウクライナ政府が認めると、ポロシェンコ大統領は裏切り者、ウクライナの敵の傀儡者とされ、義勇軍と戦った、また現在戦っている人の暴動が起きる」
今のところ、正反対の2つの立場を1つにまとめられる可能性、また双方が満足できる新しい政治計画は示されていない。
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