ウクライナ情勢7/31報道

ロイター通信

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ウクライナ情勢関連の報道を引き続き特集する。対ロシア制裁の影響と、31日にミンスクで行われる協議が焦点。

「ヴェドモスチ」紙は、ウクライナの紛争当事者の間で31日に協議が行われると伝えている。

 ベラルーシのミンスクで行われる協議には、独立を宣言しているドネツィク人民共和国の代表、ミハイル・ズラボフ在ウクライナ・ロシア大使、レオニード・クチマ元大統領が参加する。

 協議の主な議題は、停戦、拘束された者全員の開放、国際専門家のマレーシア航空機墜落現場への出入りの確保。ウクライナ政府が急きょ協議開始を決定したのは、予備資材や失われた技術品の補充のために数日間の空白が必要になったためではないかと、軍事専門家のヴィクトル・ムラホフスキー予備役大佐は話す。

 

 独立新聞は、ウクライナ政府が弾道ミサイルを使用したとして、非難されていると伝えている。

 義勇軍は、完全に破裂していない弾道ミサイルの弾頭をルハンシク州で発見したと、すでに発表している。しかしながら、ウクライナ国家安全保障会議情報センターのアンドレイ・ルィセンコ議長は、これを否定。「ウクライナ軍は弾道ミサイルを使用していない。それよりも威力は弱いが、ウクライナ東部の州をテロリストから解放する際に効率的に使える武器を、十分保有している」。

 その破片が攻撃現場で発見された弾道ミサイルは、義勇軍の集中拠点を撃破するはずであったが、目標から外れてしまった可能性もある。

 

 ノヴァヤ・ガゼータは、ウクライナ政府がボーイング777型機墜落事故の証拠隠滅を望んでいるとして、ヴィタリー・チュルキン・ロシア国連大使が非難していると伝えている。

 「キエフがマレーシア航空機事故での自分たちの役割を暴露するような証拠を隠滅しようと動くことを、我々は警戒している」とチュルキン国連大使は30日に行われた国連安保理の会合で述べた。

 

 「ヴズグリャド」紙は、「終末は明日」という見出しで、ウクライナの経済危機の深刻化について伝えている。

 ウクライナを待っているのは戦争の破壊的な影響である。それはロシアが近々かける関税、ガス入手の問題、暖房シーズンの危機だ。ウクライナの第2四半期のGDPは、昨年同期比で4.7%下落している。

 ロシアとの貿易が終わろうとしていることを、ウクライナは考慮すべきだ。ウクライナ製品への関税導入は、ロシア政令案に記されている。

 

 「コメルサント」紙は、EUが30日に発表した対ロシア制裁リストに、3社、8人の役人と実業家が含まれていることを伝えている。

 リストに加えられたのは、「ロシア国立商業銀行」、防空システム工場「アルマズ・アンテイ」、アエロフロート系格安航空会社(LCC)「ドブロリョート」。

 このようにして、EUへの入国が禁じられ、資産が凍結される制裁対象者は、ロシア市民およびウクライナ市民あわせて95人、提携が禁じられる制裁対象企業は23社に増えた。ヨーロッパの企業は、クリミアおよびセヴァストポリのインフラ、交通、通信、エネルギー、また石油、ガス、鉱物の採掘に投資を行えなくなり、さらにこの地域のこの分野で活動する企業に融資および保険のサービスを提供できなくなる。

 制裁の正式な承認日は31日。EUの資本市場へのロシアの銀行の参入が困難になり、兵器の輸出入、二重用途製品およびエネルギー分野向け技術品の供給が禁じられる。

 

 「モスコフスキー・コムソモレツ」紙は、「第三次世界大戦はすでに始まった」という専門家の言葉を見出しにのせている。

 これを述べたのは、ロシア連邦大統領府付属経済・行政アカデミーのウラジーミル・シトリ氏。現在の状況を「1999年のユーゴスラビアの悲劇」と比較。大規模な国際紛争の勃発につながるような急変局面となり得るのは、ウクライナへの北大西洋条約機構(NATO)軍の投入と、ウクライナをNATO非加盟主要同盟国と承認することだという。

 

 同じく「モスコフスキー・コムソモレツ」紙は、バラク・オバマ大統領はウクライナ政府に武器を提供しようとしていないと書いている。

 ウクライナ軍は義勇軍よりもしっかりと武装しており、今は「ウクライナでいかに流血の事態を止めるか」が問題だと言っているという。

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