一週間分の食料しかないドネツィク

GettyImages/Fotobank撮影

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ノヴォロシア議会・社会政策保健委員会のオクサナ・ベヴツィク議員は、戦火に包まれた人々の暮らしや絶えざる砲撃と人道面の破局に見舞われたノヴォロシアの現状について、次のように語った。

 ドネツィク(ドネツク)市内には、現在、戦闘地域からの難民を収容する施設が造られています。どこの収容所も子供が多く、一歳くらいの緑児もいます。それで、玩具や本や教材などを用意しています。子供たちは、何もないのでハンカチやペットボトルで遊んでいたりしますから。空爆が始まったら避難が延期されるので、みんな、一時間以内に集合して大急ぎで逃げてくるのです。

 当局の一番の悩みは、食糧や水の不足と空爆です。今はそうした状況にあり、砲撃に晒されて三日間も防空壕に閉じこもることがあります。いつ終わるともしれないので、怖くて出られないのです。とくに、「グラード」(自走多連装ロケット砲 ― 編集部)が発射されるときには。それは、目標に向けられるのではなく、見境なく放たれるのですから。

 ドネツィク市内では、水が、数日分しか残っておらず、店で売られているものは、値が跳ね上がっています。このさきどうやって人々を収容したらいいか、分かりません。町は爆撃に晒され、水はなく、食糧が底をつけば、収容するところはありません。町の周辺部では爆弾の雨が止まず、とても多くの人が困っており、みんな、郊外から中心へと集まっています。

 かといって、道路が砲撃に晒されているので、民間人をロシアへ避難させることもできません。ルハーンシク(ルガンスク)経由でも無理ですね。つまり、私たちは封鎖されてしまったのです。

 戦闘のために人道物資も届きません。市内のスーパーマーケットの棚は空っぽで、食料の問題が日増しに深刻化しており、小麦粉はあと一週間分しかありません。

 このまま人道物資が届かなければ、飢餓の脅威が現実のものとなりましょう。備蓄は底をつき、ドンバス(ドネツ炭田)へは食料が入ってきません。道路が砲撃を浴びて、人道物資が運べないのです。以前はハリコフやドニエプロペトロフスクといった他地域から送られてきたのですが、今はそれもありません。ドイツとチェコから、どのように支援物資を届けたらよいか、との問い合わせがあるのですが、答えようがありません。考えられるのはロシア経由だけですが、向こうからの道も閉ざされています。

 食料不足がとくに深刻なのは、ドネツィク周辺の町で、人道物資が届いても、一人につき肉の缶詰一つと一瓶の飲み水が配られる程度で、レニングラード封鎖のようなことになっています。

 私たちは、完全に孤立させられ、兵糧攻めを受けています。それで、道路が砲撃に晒されて、何も運ばれてこないのです。

 こんなドネツィクでも、爆撃や砲撃を受けていない地区では、今のところ、病院や医院や商店が営業し、閉鎖されていない幼稚園もありますが、石炭の採掘に支えられた経済は、大きな打撃を蒙っています。炭坑は、深刻な問題です。坑夫たちは、坑内へ降りるのを怖がっています。竪坑か昇降機に着弾したら、まず命はありませんから。(談)