プーチンが対義勇軍呼びかけ約束

タス通信

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22日に行われたロシア連邦安全保障会議は、タカ派にとって意外なものであった。ウラジーミル・プーチン大統領は、西側に対する威嚇や非難の代わりに、ロシアには直接的な軍事的脅威はなく、挑発には相応かつ体系的に反応する、と述べた。また、ウクライナ政府に抵抗している義勇軍への呼びかけを含む、同国の平和確立に協力することを約束した。

意外な発言も 

 「ウクライナ南東部の義勇軍への呼びかけを求められている。我々にできることがあれば、当然実行する」とプーチン大統領。

 ロシアでの「色の革命」は許さず、自国の主権を守るために可能なすべてのことを行うという。

 「世界では威嚇的要求や制裁がよりひんぱんに叫ばれている」、「国家主権の概念自体が形骸化している」、「独立した政策を実施しようとする国は不安定化する」など、ロシアが直面している問題をあげた。

 直接的な脅威がないことが、必ずしも間接的な脅威がないということではない。プーチン大統領はこう述べた。「NATOの軍事インフラがロシアの国境に接近することに、我々は相応に対応し、世界的なミサイル防衛システムの展開と戦略的非核精密兵器の予備の増強を注視する」

 

アレクセイ・アルバトフ:抑止政策は完全な規模で復活していない 

 ロシア科学アカデミー世界経済・国際関係研究所国際安全センターのアレクセイ・アルバトフ所長は、ロシアNOWの取材に対し、プーチン大統領の演説で国家の主権の重要性が強調されているものの、国民の自決権については一言もなかったと述べた。

 「対ウクライナでは、ロシアは領土の一体性を尊重し、プーチン大統領は紛争が平和的に解決されるために可能なことをすべて行う。また、プーチン大統領が述べた通り、義勇軍にはボーイングが墜落した領域で国際調査団が作業を確実に行えるよう停戦し、ウクライナ政府と紛争の解決に関する協議を行うよう呼びかける」

 ロシアには現在、軍事的な脅威はないという。しかしながら、懸念材料はある。特にアメリカとNATO、そのヨーロッパのミサイル防衛システムだ。プーチン大統領は以前とは異なり、これについては落ち着いた口調で話した。

 アルバトフ所長によると、アメリカはウクライナ情勢を受けた、ヨーロッパへのミサイル防衛システム配備の第4段階開始について、何も言っていない。

「アメリカはこの計画に戻っておらず、抑止政策は完全な規模で復活していない。冷戦時代を思い出す限り、この政策は新しい軍事基地の展開、軍団の再配備を提案するもの。そのためにプーチン大統領の口調は落ち着いているのだろう。軍備の管理に関する対話の再開にも、プーチン大統領は反対していないと考える」

 

ターニングポイント 

 有効政策基金のグレブ・パヴロフスキー理事が「モスコフスキー・コムソモレツ」紙に語ったところによると、「今プーチン大統領は、実際のところ、生じた問題を認識しての非常に穏やかで理性的な路線をとっている」という。ロシア政府は国際的な孤立を脅威と考え、「情勢の緩和」策を講じている。「この傾向は以前から見られていた。しかしながらプーチン大統領は今回、義勇軍に影響を及ぼす用意があることを伝えた。これまではなかったと解釈できる」

 高等経済学院・世界経済・世界政治学部のセルゲイ・カラガノフ学部長は、「ガゼータ・ル」紙の取材に対し、プーチン大統領の演説には仲裁の性質があると話した。演説は「ロシアがこれ以上の対立には向かわないこと」、「このメッセージが官僚を含むすべての者に向けられていること」を証明している。

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