AP通信撮影
「ウクライナ・プラウダ」紙の報道によると、旅客機が国際回廊空域内の上空1万メートルを飛行していた、現地時間17日16時20分(日本時間午後22時20分)に、通信が途絶えたという。消息を絶った場所はウクライナのロシアとの国境から50キロメートル付近で、マレーシア航空がこれを確認している。スニジネ市ではすでに遺体が発見されており、機体の破片は約15キロメートルの範囲に散乱している。
ウクライナ軍およびウクライナ南東部の人民共和国義勇軍のいずれも、墜落事故への関与を否定。ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領も、自国軍が関与していないことを公式サイトで伝えている。「ウクライナ軍は上空でいかなる撃墜も行っていないことを強調する」。ポロシェンコ大統領は、事故調査委員会の設置を命じた。ウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ次官は、対空ミサイル・システム「ブク」によって撃墜されたと述べた。ウクライナ軍の情報によると、この対空ロケット・システムを義勇軍が保有しているという。
ドネツィク人民共和国のセルゲイ・カフタラゼ代表は、「インテルファクス」通信の取材に対し、義勇軍はこの事故に無関係だと述べた。「航空機はウクライナ側から撃ち落とされた。我々にはそんな防空設備はなく、保有しているのは射程3000~4000メートルの携帯式防空ロケット・システム。ボーイングが飛行するのははるか上空」。義勇軍は事故調査のため、国際的な専門家を受け入れる意向を表明。「ドネツィク人民共和国政府は、この悲劇の調査に関心を持ち、事故のすべての状況を明らかにするため、国際的な専門家を受け入れるつもりである」と、ドネツィク人民共和国のアレクサンドル・ボロダイ首相は述べた。
マレーシアのナジブ・トゥン・ラザク首相は、事故に衝撃を受け、こうツイートした。「航空機が墜落したという報告にショックを受けている。即時調査を始める」。マレーシア国防相は撃墜説を認めておらず、軍に調査するよう命じた。
ウラジーミル・プーチン大統領は、アメリカのバラク・オバマ大統領と電話会談を行い、マレーシア航空機がウクライナで墜落したことを報告。また事故に関連して、ナジブ・トゥン・ラザク首相に追悼の意を伝えた。「ロシア連邦大統領は亡くなった方のご親族および近しい人々に、心からのお悔やみを申し上げている」とクレムリンの公式サイトは伝えている。
国連は事故を悲劇と呼んだ。ファルハン・ハク国連副報道官はこう述べた。「ロシアとウクライナの国境付近で航空機が墜落したとのニュースを確認した。現時点で詳細な情報はない。これは悲劇であり、我々の気持ちは乗客、乗員、その家族とともにある」
ヴィタリー・チュルキン・ロシア国連大使も、国連の会合後、事故についてコメントした。「今このことを知ったばかり。これは大変なことだ。事故の詳細についてはまだ何もわからない」。国連安保理の緊急会合は、アメリカ東部時間18日午前10時(日本時間午後11時)に行われる。
ロシアの航空会社「アエロフロート」と「トランスアエロ」、ドイツの航空会社「ルフトハンザ」、フランスの航空会社「エールフランス」は、ウクライナ上空の飛行をとりやめた。
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