BRICS首脳会議の成果とは

AP通信撮影

AP通信撮影

ブラジルで15~16日に行われた新興5ヶ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)首脳会議では、「新開発銀行」および国際通貨基金(IMF)に類似する「外貨準備基金」の設立を含む、いくつかの重要な決定が行われた。しかしながら一部専門家は、どの協定も表明の類であり、あくまでも長期計画だと考えている。

首脳会議で決まったこと 

 BRICS首脳会議の主な決定は、1000億ドル(約10兆円)規模の統一外貨準備基金の設立。流動性不足に陥った際のBRICS諸国の保護を目的とした、IMFのような基金である。 

 ロシアは基金の本部を自国に開設することを望んだが、最終的に上海に決まった。ロシア経済・国家行政アカデミー国家行政・管理研究所計画・綱領管理部のロマン・アンドレエシチェフ副主任はこう話す。「IMF風の新しい基金が中国に置かれるのは自然なこと。中国の出資は41%であるのに対して、ロシアはわずか18%なのだから」。ブラジルとインドもそれぞれ18%、南アフリカ共和国は5%。どこかの国で流動性不足が起こった場合、その国は基金の資金を利用できる。

 これ以外に、新開発銀行を設立することでも合意した。BRICSのインフラに融資を行う銀行である。ウラジーミル・プーチン大統領は、新開発銀行と外貨準備基金がBRICSを欧米の金融政策から独立させると述べている。 

 プーチン大統領は、国際競争激化という条件のもと、貿易・投資協力の活発化が必要であると訴えた。ロシアはハイテクから人道までのさまざまな分野で、37件のプロジェクトを作成した。中には、予備燃料銀行およびエネルギー政策研究所を含む、エネルギー連合の創設案もある。これらのプロジェクトの詳細はわかっていない。

 ロシアの投資会社「ワイルド・ベア・キャピタル」の上級アナリストであるヴィクトル・ネウストロエフ氏はこう話す。「首脳会議の結果としては、ロシアとブラジルの経済貿易協力活動計画の署名がある。中期的に100億ドル(約1兆円)の貿易を目指すことで合意した」。いかにして貿易額を増やす計画なのかはまったくわからないが、署名によってロシア企業がより早くブラジル経済に統合できるかもしれないという。特に石油・ガス分野の協力が対象となる。ロシア鉄道会社は、ブラジルでの鉄道建設事業についても検討している。

 

BRICSの効果とは

 一部専門家は、首脳会議で大きな経済的決定がなされたわけではないと考える。「現実的になる必要がある。BRICSは現在、意見交換の舞台、利益にもとづいたクラブにすぎない」とアンドレエシチェフ副主任。将来的には完全な国際機関になる可能性があり、ロシアはそのために努力しているが、進行は速くないという。BRICSが国際機関としてのステータスを固めた後で、ようやくロシア企業が受ける恩恵について話すことができる。

 ロシアの監査法人「グラディエント・アリファ」のアナリスト、エゴール・ドヴィニャニン氏はこう話す。「プーチン大統領の今回の南米訪問は、ロシアの経済において欧米の経済制裁の悪影響とバランスをとり、南米との協力に方向を変えようとする試み」。BRICSや他の新興・発展途上国が団結し、アメリカや他の先進国の前でともに利益を守るよう、ロシアは呼びかけているのだという。どうやらこの提案には反響があるようだ。また、今回の会議で結ばれた具体的な経済協定は、BRICS内の友好が言葉だけではないことを世界に示すものだという。「今のところは予備協定のようなものであり、実際の協定について話すのは時期尚早」とドヴィニャニン氏。今回の会議では前進がみられ、BRICSはアメリカやその他の先進国の政策に「満足していない」国の重心になり得るという。

 次の会議開催は20157910日。開催場所はロシアの首都モスクワの東1345キロメートルに位置するウファである。プーチン大統領は、ロシアが開催国として、ブラジル会議で提起された優先事項を引き継ぐことを約束した。