有名なブロガーで写真家のイリヤ・ヴァルラモフ氏はこう話す。「全システムを機能させたいなら手作業でなければ無理。これが必要な理由は明白。反政権派のブログを監視して、閉鎖するため」=タス通信撮影
法案は昨年末のヴォルゴグラードでのテロを受けて作成されたという。この法案によると、個人や法人はインターネット上での情報伝達開始について政府に通知を行い、伝達後は参照データを半年間保管する義務を負う。個人の家庭や家族関連の情報をインターネット上で伝達する者は、この規定の対象にはならない。
インターファクス通信によると、法案は事実上、人気ブロガーをマスコミと同等と見なすものであるという。個人的なウェブサイトや交流サイト(SNS)で1日3000人以上の訪問者がいるブロガーの名前は、リストに記録されるようになる。ブロガーはリストに記されると、ページの広告料を受け取ることができるようになる一方で、公開する情報の正確性を調べ、選挙前運動規定を守り、ユーザーの年齢制限を示す義務を負う。市民のプライベートな生活に関する情報や、過激主義的な内容を広めることは禁じられる。
規定に違反すると、個人で1万~3万ルーブル、法人で5万~30万ルーブルの罰金が科せられる。1年の間に違反を繰り返した場合は、罰金が2倍になる。
「人気ブロガーを狙い撃ち」
有名なブロガーで写真家のイリヤ・ヴァルラモフ氏はこう話す。「全システムを機能させたいなら手作業でなければ無理。これが必要な理由は明白。反政権派のブログを監視して、閉鎖するため」
SPCとパムフィロワ氏はこれより以前、インターネットの「締めつけ」に反対していた。ブロガーをマスコミと同等に見なす考えを批判し、インターネットのユーザーにはウェブサイトのブロックについて、法廷で争うべきだと訴えた。
法案はマスコミ法に矛盾しているという。そのため、フェドトフ議長は、ブロガーがマスコミと同じ位置づけにはならないと話す。「法案にはインターネット・メディアの登録が任意と書かれているのに、ブロガーだと義務になるのか」
フェドトフ議長は、法案が下院に承認されると、2つの法律の矛盾が生じると強調する。「そうなったら論理不在だ」
「ドミトリー・メドベージェフ首相も、マスコミとして登録しなければいけなくなるのだろうか。我々がフェイスブック、フコンタクチェ、ツイッターなどのアカウント開設を呼びかけているロシアの知事にも、制限が適用されるのだろうか」とフェドトフ議長。
裁判抜き
SPCはこの法案以外にも、通信・情報技術・マスコミ分野監督局が、裁判所の決定なしにウェブサイトをブロックできる権利を得たことにも不満を表明した。
パムフィロワ氏も同様である。「裁判所に行くべき。これはとても見込みのある案件で、当研究所にはこれに関与できる全権がある」とインターネットのユーザーに呼びかけた。リソースのブロックに十分な根拠が示されず、また事前に警告がなされなかった場合は、裁判所に申し出を行うことができるという。
*以下の記事を参照。
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