「クリルとクリミアをリンク」

Alamy/Legion Media撮影

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左派の野党「公正ロシア」の下院議員が、ロシアのクリミア編入を日本が承認することと、クリル諸島をめぐる領土問題とをリンクさせることを提案した。しかし、専門家らは、こうした提案は非生産的であるとみている。

 左派の野党「公正ロシア」のオレグ・ミヘエフ下院議員は、クリル諸島(北方領土)の帰属をめぐる交渉を凍結するよう呼びかけ、セルゲイ・ラブロフ外相にその旨書簡を提出した。その中で同氏は、交渉継続は日本側がクリミアの住民投票とロシアへの編入を承認した場合にのみ可能になる、と主張している。

 3月16日、クリミアで住民投票が行われ、その結果、クリミアとセヴァストポリ市がロシアに、その構成主体(自治体)として編入されたが、日本は、西側諸国同様、これを承認していない。

 ミヘエフ議員は、日本政府の行動を、「ウクライナ情勢とも、当該地域におけるロシア系、ウクライナ系住民の置かれた状態とも何ら関係のない問題に、あからさまに圧力をかけるもの」として、批判している。同議員の意見によると、日本の対露制裁は、実はクリミア問題とはまったく無関係だ。日本側は、領土問題に関して圧力をかけるために、これを口実として利用しているだけだという。

 

与党「統一ロシア」からも批判 

 しかし、スベトラナ・ジュロワ下院国際問題委員会・第一副委員長(与党「統一ロシア」所属)は、今は外交的な非難の応酬をすべき時ではないと考える。「クリル諸島とクリミア半島をリンクさせる必要はない。クリルをめぐる交渉は続いていく。今我々は、クリミアに優先的に取組むべきであり、誰が承認して誰が承認しなかった、などということを考える必要はない。我々は責任を負ったのであり、クリミアは今やロシア領だ。ロシアへの編入を選択した人々を失望させないことが一番大事」 。こうジュロワ議員は強調した。

 

アレクサンドル・パノフ氏「有害な外交手段」 

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日米も日露も大事

 一方、ロシア科学アカデミー「アメリカ・カナダ研究所」の主任研究員で、元在日本ロシア連邦特命全権大使であるアレクサンドル・パノフ氏は、公正ロシア党の提案を、「有害な外交手段」と評した。「日本の制裁なるものは、米国はいわずもがな、欧州と比べても、制裁とは言えないようなもの。誰もが、これは最小限だと認めている。また最近日本は、前に合意した通り、岸田外相が4月に訪露することを確認した。概して日本側からは、政治対話を中断し、何らかの措置を講じてロシアの国益を損なおうとするようなシグナルはまったく出ていない。日本はG7のなかでは、ロシアに対して最も友好的な立場だ。だから、我々が侮辱されたかのようなポーズをとることは無意味」。この元大使は述べた。

 先週、岸田外相が、4月末に予定されていた訪露を、ウクライナ情勢のために延期する可能性があるとの報道がなされたが、その後、この報道は打ち消された

 

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