ロシアの強豪女子テニスプレーヤー11人

Ekaterina Alexandrova/Getty Images
 野心的で力強い!成功と栄光に命をかける美しきプレーヤーたちを紹介しよう。

11. スヴェトラーナ・クズネツォワ

 スヴェトラーナはアスリート一家に生まれ、7歳でテニスを始めた。父親のアレクサンドル・クズネツォフは6度のオリンピックと世界選手権で自転車競技のコーチを務めた。母親のガリーナ・クズネツォワは、6度にわたり世界選手権を制し、20回、世界記録を更新した。スヴェトラーナはサンクトペテルブルクに生まれたが、多くのテニススターを輩出しているサンチェス・カサル・テニス・アカデミーに入るため、スペインに移住した。クズネツォワが初めて勝負強さを発揮したのは2007年、ベストシーズンを記録した(世界ランキング2位に浮上)。クズネツォワはグランドスラム大会で4度ファイナルに進出し、2度、優勝した。WTAツアーのシングルで18勝、ダブルスで16勝しているスヴェトラーナは、諦めることを知らず、そのファイティング・スピリットで、36歳でありながらまだまだ危険な選手であり続けていることは間違いない。

10. アンナ・カリンスカヤ

 アンナは勝利に対する本能と情熱を持って生まれてきた。2019年の全米オープンでは、アーサー・アッシュ・スタジアムでスローン・スティーブンス選手に劇的な勝利を飾った。「バドミントンのシャトルよりも早くテニスボールを打つ必要がある」とカリンスカヤは言う。それは、アンナの両親がいずれもプロのバドミントン選手であることを背景にしたものである。アスリートとしての成功と勝利を追求する熱い情熱は、家族から受け継がれたものである。5歳のとき、夏の間に祖母のダーチャに滞在している間に、テニスを始めた。まだ23歳。彼女にとってのアイドルであるベルギーのキム・クライシュテルス選手のように、ランキング1位に向けた長い道を歩き始めたばかりである。

9. ヴェラ・ズヴォナレワ

 ヴェラはスポーツに対する情熱を母親から受け継いだ。母親はフィールドサッカーの銅メダリスト選手で、ヴェラが6歳のときにテニスを始めさせた。2003年、ズヴォナレワは、全仏オープンの4回戦で、当時世界ランキング3位だったヴィーナス・ウィリアムズ選手を下し、2008年には北京五輪で銅メダルを獲得した。2020年の全米オープンでは、ドイツのラウラ・ジグムンド選手とのペアで、3度目となるダブルスに出場し、優勝を果たした。世界ランキングは2010年に2位。WTAツアーでは12回優勝、ダブルスでは5度優勝している。現在37歳だが、今なお、軽視できない有力選手の一人である。

8. ワルワラ・グラチョワ(バルバラ・グラチェワ)

 ワルワラにテニスの楽しさを教えたのは母親で、ワルワラが14歳になるまで自らコーチとして指導した。最近、ETCアカデミーがあるフランスのリヴィエラに移り住んだ。同じアカデミーでは、2006年からデビス杯でロシアチームを率い、2021年12月5日についに優勝に導いたダニイル・メドヴェージェフもトレーニングしている。

 ワルワラは2019年にローザンヌでWTAデビューを果たし、ファイナルで、オーストリアのジュリア・グラバー選手を下した。グラチョワはITFツアーで7つのタイトルを獲得している。現在まだ21歳で、将来有望な駆け出しの選手である。

7. アナスタシア・ポタポワ

 2016年のウィンブルドンジュニア女子シングルで優勝を果たした金髪の美しい選手。母親はバスケットボールプレーヤー、祖母はバスケットボールのコーチをしていたとのことで、アスリートになる運命を背負って生まれてきたと言える。5歳でテニスを始めた。2021年の全豪オープンの第1回戦では、第24シードのアメリカ人選手アリソン・リスケを破ったものの、第3回戦で、第10シードのセレナ・ウィリアムズに破れた。20歳の選手にとっては、大健闘で、今後の躍進が期待される。

6. リュドミラ・サムソノワ

 23歳のサムソノワはハードコートを好み、フォアハンドのショットを得意とし、マリア・シャラポワをロールモデルにしている。これを読んだだけで、無視できない選手であることがお分かりいただけるだろう。

 ムルマンスク州オレネゴルスクに生まれたが、18ヶ月のときに家族とともに陽光降り注ぐイタリアに移住した。父親は才能溢れる卓球選手で、トリノを拠点としたクラブ「フェレンティノ」に招待されたのがきっかけであった。リュドミラがどのスポーツを選ぶかという選択肢はあまりなく、父親と同じ卓球をするか、少し趣向を変えて芝テニスをするかの二択しかなかったが、サムソノワは6歳でテニスを始めた。2018年までイタリア代表としてプレイしていたが、その後、故国のロシア選手となった。2021年にドイツ国際オープンで初のWTAツアーで初優勝し、ロシア内外にその名を知らしめた。ITFツアーでは6つのタイトルを獲得している。

5. エカテリーナ・アレクサンドロワ

 27歳のアレクサンドロワはセレーナ・ウィリアムズの大ファンで、プロとしての野望は山よりも高い!ウラル地方のチェリャビンスクに生まれたアレクサンドロワは、1996年からプラハでトレーニングを行なっている。父親がコーチを務めるが、ITFツアーでは7つ、WTAツアーでは1つ、それぞれタイトルを獲得している。2021年の全仏オープンの第1回戦で、7度のグランドスラムチャンピオンである40歳のヴィーナス・ウィリアムズを下し、その実力が認められた。第2回戦では、全仏オープンの優勝者であるチェコのバルボラ・クレチコバに惜しくも敗れたが、今後、多くの勝利を手にするのは間違いない。

4. ヴェロニカ・クデルメトワ

 父親のエドアルド・クデルメトフは、アイスホッケーのロシア代表チームのメンバーだったが、ヴェロニカはテニススタートしてこの世に生まれた。テニスを始めたのは8歳のとき。2021年にシングルスとして初めてのWTAチャールストン・オープンで優勝、またダブルスでは2019年に武漢オープンで優勝した。現在24歳のクデルメトワは、ベースラインから安定したストロークを繰り出し、相手を追い込む。プロとしての野望を次のレベルに引き上げるだけの十分なチャンスを手にしている。力強く、スピードがあり、かなり手強い選手である。

3. ダリア・カサトキナ

 兄のアレクサンドルは、小さな妹が将来的にチャンピオンになると予感していたという。サマラ州のトリヤッチで生まれたダリアは10代でITFジュニアツアーに出場しはじめた。カサトキナは2回目の大会で最初の優勝を果たし、周囲を驚かせた。2018年にインディアン・ウェルズ・マスターズでは決勝に進出。大坂なおみ選手に敗れたものの準優勝に輝いた。24歳のカサトキナはWTAツアーのシングルスで4つのタイトル、ダブルスで1つのタイトルを獲得している。

2. エレーナ・ヴェスニナ

 世界中のファンが彼女に魅了されている。35歳のヴェスニナは同世代のロシア人プレーヤーの中で、もっとも多くの勝利をあげている。彼女の魅力の一つがフィジカルの強さである。ダンサーのような軽いフットワークと雌ライオンのようなスピードを持つ。

 両親がエレーナに初めてテニスをさせたのは7歳のときだが、それが生涯のスポーツになるとは誰も思っていなかったという。幸運にも、最初のコーチとなったのが、シャラポワのコーチも務めたユーリー・ユトキンであった。

 ヴェスニナはダブルスで出場したグランドスラムで4回優勝している(2013年の全仏オープン、2014年の全米オープン、2017年の全英オープンの女子ダブルス、2016年の全豪オープンでの混合ダブルス)。2018年には女子ダブルスのランキングで1位になった。

1. アナスタシア・パブリュチェンコワ

 ソ連が崩壊した1991年に生まれたパブリュチェンコワは、高レベルの戦いがどのようなものかをよく知っている。ジュニアから天才プレーヤーと言われたパブリュチェンコワは、ジュニアのグランドスラムを3度制し、14歳でジュニアの世界1位になった。

 パブリュチェンコワはその素晴らしい運動能力ゆえ恐れられている。WTAツアーのシングルスで12のタイトル、ITFツアーでは5つのタイトルを持つ。さらにダブルスでも、WTAツアーで5度優勝、ITFツアーでは8度優勝している。2020年の夏季五輪では、アンドレイ・ルブレフと組んで出場した混合ダブルスで金メダルを獲得した。力強いフォアハンドで相手を圧倒し、現在、ロシアの女子シングルの選手としては第1位を占めている。

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