マリアの最初の小遣いは週5ドルだった。両親の生活は質素なものだった。
シベリアの小さな町に生まれたマリアは、幼い頃から才能を発揮した。そこで父親は前代未聞の行動に出た。6歳の娘をフロリダのIMGアカデミーに入学させられるよう、家族を分断し、英語もできないまま700ドルだけを持って米国に移住したのだ。
だが、この狂気じみた賭けは報われた。マリアは18歳でロシア人として初めて女子テニス協会(WTA)のシングルス・ランキングで1位に輝いた。以来、彼女はぐんぐんとキャリアを積み、タイトルに次ぐタイトルを獲得した。現在までにマリアは、3900万ドルの賞金、何百万ドルもの広告収入を得ている。2018年現在の彼女の資産総額は1億9500万ドルと推計されている。
「私がお金のことで初めて本当に興奮したのは、ウィンブルドンで優勝した時だ。私たちは今までよりずっと良いホテルに泊まった。小さな黄色いアヒルのゴム人形があった。バスタブに滑り込むなりマネージャーに電話したのを覚えている。『ウィンブルドン優勝、人生最高!』という感じだった」とマリアはインタビューで興奮気味に回想している。
マリアは何年もかけて富を築き、自分の名前をブランドに変えたが、ただ働きの苦労も忘れていないという。「いつでも大切なのは、自分の行動に対する選択だ。自分の行動が、最終的に自分がどれほど遠くへ行けるか、あるいはどれほど低いところまで落ちてしまうかを決める。」
このロシア人アスリートは、間違いなく現在ナショナルホッケーリーグ(NHL)で最も有名なホッケー選手だ。オベチキンはロシア人として史上初めて、NHLのクラブの主将としてチームにスタンレー・カップをもたらした。ワシントン・キャピタルズでプレーするオベチキンは、これまでに3度(2008年、2009年、2013年)NHLのMVPに輝いているが、いつもあと少しのところスタンレー・カップを逃していた。
それはリーグ最優秀選手の一人の呪いだったが、2018年に運命の瞬間が訪れた。6月7日、ワシントン・キャピタルズはついにスタンレー・カップ決勝戦でベガス・ゴールデンナイツを破り、優勝を果たしたのだ。チームで最初にカップを頭上に掲げたのは、主将のオベチキンだった。
ロシアの神童の推定資産総額は6000万ドルで、世界で最も裕福なホッケー選手トップ5に入っている。これがどれほどの金なのか実感したい方には、こちらをご覧いただこう。稼ぎのペースには畏敬の念を抱かずにはいられないが、オベチキンには人生において他に大切にしているものがあるという。「私は世界最高のリーグでプレーすべきだと感じている。金は問題ではない。金で幸せは買えない」。それに、彼は低賃金の仕事も厭わないようだ。
ハビブは、現在ロシア国内外で話題のアスリートだ。前例のないレベルの敵意。暴力的な試合。試合直後の大乱闘。ハビブがアルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)のスター、コナー・マクレガーを倒した試合は、広告契約を除いても、チケット代と有料放送の料金のみで約2000万ドルの収益を生み出した(。
ハビブの強い信仰心と特殊な社会的価値観は、たくさんのファンとアンチを生んできた。1150万ドルと推定される彼の純資産は、他の有名アスリートの資産に比べれば少額だが、ダゲスタン出身の格闘家は成長中であり、将来的に富を何倍にも増やす見込みは高い。
彼は金が好きだと言うが、金のテーマに対しては哲学的なスタンスを取っている。「金があるなら、良いことだ。たくさんの人々を助けられるから。金は心の中に入り込めば危険なものにもなり得る。だが金を手に持っているなら、これは良いことだ。たくさんの人々を助けられる。」
チェリャビンスク出身のライトヘビー級ボクサー、コバレフは、過去に何度も国際試合で脚光を浴びている。全盛期は過ぎたかもしれないが、彼が最も注目を集めた出来事が2019年11月2日に起こった。ラスベガスでの試合で、コバレフはメキシコ人のサウル・アルバレスに11ラウンドでKO負けし、世界ボクシング機構(WBO)のライトヘビー級(79.38キログラム未満)の王者のタイトルを失った。
パンチの重さで「破壊者」(“Krusher”)の異名を取ったチェリャビンスク出身ボクサーは、伝説的なボクサー、バーナード・ホプキンスを苦しめ、全員一致の判定勝ちを収めた。2013年以降ライトヘビー級で11度タイトルを防衛してきたコバレフは、計700万ドルの賞金を得てきたと言われる。
この記事で紹介している他のアスリートと異なり、コバレフは自分の金について話さない。概してこのボクサーは人前であまり話さないが、彼によればこれはロシアで育ったためだという。
「私はロシアで育ったが、そこでは言葉で人を挑発することなどできない。私が育った場所では、言葉で挑発するならば、その言葉の責任を取らなければならない。そこができない者は、何者でもない。」
このアスリートは、監督やチームメイトとともに2018年のワールドカップで、衝撃的なパフォーマンスを見せ、ロシア・サッカー界に対する評価をひっくり返した。大会前、ロシアの人々は代表チームの実力にかなり懐疑的だった。
この伝統的な下馬評が砕け散り、全国的な称賛に取って代わられたのは、アルテム・ジューバがワールドカップ・ロシア大会で彼のチームを準々決勝へと導いた時だった。彼のゴール後のポーズ、つまり監督とファンへの敬礼は、一種のミームとなり、ブームを巻き起こした。
ジューバの資産総額は700万ドルと見積もられている。ゼニト・サンクトペテルブルクでプレーし、年棒は300万ドルだ。この男は中国のサッカークラブからの破格のオファーを断ったことでも有名だ。「年棒800万ドルにボーナスが付く契約を提案された。だが、これは単に大金を作る方法であり、キャリアを積むことにはならない。金のために[中国へ]行くつもりはない。友人のレオニード・スルツキーがある時こう言った。『大金がお前に何をくれると言うのか。このレストランで食べてきたのだから、これからもここで食べ続けろ。』」
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