東京五輪のロシア選手団のユニフォームが、モスクワにある全ロシア博覧センターの「宇宙」パビリオンで発表された。タス通信が伝えた。
世界アンチドーピング機関(WADA)とロシアアンチドーピング機関との間の問題をめぐるスポーツ仲裁裁判所(CAS)の決定により、ロシア人選手は大規模な国際大会への参加に制限を課せられており、国旗や国歌、紋章の使用を禁じられている。
ロシアオリンピック委員会のスタニスラフ・ポズニャコフ会長は、「国旗はもっとも重要なシンボルですが、今回わたしたちはそれを使用することができません。そこで、国旗の色である赤、白、青を使っています。ご覧いただけば、ユニフォームには国旗がはっきり見て取れると思います」と述べている。
選手と代表団メンバーには、ブランド「Zasport」社が作った60点から成るユニフォーム一式が与えられる。
コレクションの顔となったのは、ロスコスモス宇宙飛行士部隊で唯一の女性宇宙飛行士であるアンナ・キキナ。
「Zasport」のアナスタシヤ・ザドリナ社長は、「ロシアの選手たちが東京五輪に国旗なしで参加するということに注意を向けずにはいられませんでした。そこで弊社のデザイナーたちが、2パターンのユニフォームを考案しました。同じデザインで、ボタンに簡単につけたり外したりできる紋章をつけたものです。「Zasport」のコレクションは、平昌大会と東京大会を、宇宙というテーマとソ連のスポーツの伝統の再解釈というもので結びつけてきましたが、東京大会では鮮やかな色づかいとグラフィックにポイントを置いています」と語っている。
Zasportによれば、東京2020コレクションは、ロシアと日本のモチーフを融合させたものだといい、ジャンパーには、ロシア国旗の3色が扇の形で表現され、またスーツケースに施すプリントには竹を思わせる絵柄が使われる。また、Tシャツのデザインとスニーカーのソールのラインは有名な浮世絵「神奈川沖浪裏」にインスピレーションを得たという。さらにコレクションに東京という文字とともに入れるため、スタイリッシュな漢字のフォントが考案された。
またユニフォームにはロシアの衣装によく使われる首回りの丸い飾りを現代風に取り入れ、デザインで表現している。スーツとトレーニングウェアの内側には幸運を祈る言葉が秘められている。
コレクションは、日本の暑さを考慮し、ほぼすべて綿と冷却布で作られている。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。