ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とセルゲイ・ショイグ国防相が、木造の小さな家の中に立っている。ショイグ国防相は小さな木の節を持ち、大統領は注意深くそれを見つめている。
「これをねじ込むと小さな松になるんです」とショイグ大臣は説明する。大統領は興味深そうに、トナカイの角に似た別の節を手に取り、異なる方向に回し、元の場所に戻す。
これはプーチン大統領が2021年3月20日から21日にかけて、トゥヴァ共和国にあるシベリアのタイガで過ごした休日の1シーンである。ショイグ国防相は、大統領に木材の加工を行う自身の工房を紹介した。その後2人はタイガを散策し、万能車にも乗った。万能車ではプーチン大統領自身がハンドルを握った。
またプーチン大統領とショイグ大臣は川に架かった吊り橋を歩いた。散歩の途中で、プーチン大統領はコインを川に投げた。コインを投げた場所にはまた戻ってこられるという言い伝えがあるからだ。
大統領はショイグ大臣と望遠鏡で動物を観察した。
「あそこに水牛がいます。首は黒くて、全体は灰色です。 もう少し向こうには牛がいるようですね」と大臣が大統領に話している。
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散歩のあと、大統領と大臣は森の中でちょっとしたお茶会を開いた。動物の毛皮で覆われたベンチに座り、保温カップでお茶を飲んだ。テーブルの上にはトマト、きゅうり、ラディッシュ、脂身、ソーセージが乗っていた。
お茶の合間に、大統領は「美しいでしょう?本当にいい場所だ」と語った。
プーチン大統領とショイグ大臣はこの休日の間に何度か服を着替えたが、ほとんどの写真では、明るい茶色のウールのスーツを着ている。テレビ局「レイン」はサンクトペテルブルクの「革と毛皮の工房」というサイトで同じようなスーツを見つけたと伝えている。オーダーメイドで作られるもので、お値段は70,000ルーブル(およそ10万円)だとのこと。
3月22日、ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、記者団を前にブリーフィング会見を開き、その中で、 服装はシベリアで作られた国産のものだと述べた。
「シベリアは、パンツ、靴、コートで歩く場所ではない」とペスコフ報道官は説明した。
ブリーフィング会見で、記者から、プーチン大統領はこの休日を過ごすのに「核のブリーフケース」 を持って行ったかと質問されたペスコフ報道官は、次のように答えた。
「戦略的な通信手段を含む、必要な通信機器は、大統領がどこにいようと、それがロシア 国内であれ国外であれ、常にそばにあります」。
プーチン大統領は、休暇や休日をロシアの遠く離れた場所で過ごすことが多い。トゥヴァ共和国は大統領が休日を過ごすお気に入りの場所の一つと言っていい。上半身裸になって、馬に跨る大統領の有名な写真は、このトゥヴァで撮影されたものである。