ロシア人にとって、郊外での休息というのは聖なるものである。毎年5月から9月にかけて、都会に暮らすすべての人々が、子ども、祖母、祖父、そしてネコを連れて、ダーチャに出かける。自分のダーチャという人もいれば、借りているダーチャという場合もある。ロシアではダーチャはほとんどの場合、自分で建てる。自分の趣味に合わせて、自分の作りたいように作るのである。そんなわけでとてつもなく面白いダーチャが出来上がったりするのである。
1.ヴォログダの設計士、レオニード・ラグツキーさんはずっとクレムリンに住んでみたいと思っていた。しかし遠く離れたモスクワに行かなくて済むように、自分のダーチャにクレムリンを建てることにしたという。敷地を赤い木造の城壁で囲み、スパスカヤ塔をつけ、鐘まで作った。そして敷地内には赤の広場にあるような青いモミの木も植わっている。
2.潜水艦乗組員にはたまらないダーチャ。潜水艦の形をしたキュウリの温室がモスクワ郊外のエゴリエフスクのダーチャ村に現れた。ダーチャの所有者のオーダーに基づいて作られたものだとのこと。
3.プール付きのダーチャはすべてのロシア人の夢だろう。しかしロシアの天候ではいつでも広げられるわけではない。なので、プールが欲しければ機転を利かせるしかない。温室の中で作るのである。信じられないかもしれないが、多くの企業が温室をプール用に作り変えるというサービスを提供している。
4.モノ作りが好き?あるいはスポーツが得意?古いスキー板を使ってこれほどの傑作が作れるなんて、おそらくその両方を備えているのだろう。スキー板をずっとバルコニーに置いておくわけにもいかないからね。
5.モスクワの南45キロに、ダーチャの家が古いバス「イカルス」で作られているという村がある。1990年代初頭、ダーチャ村「べリョースカ6」の住民たちは、使われなくなったバスを使って温室やバーニャ、小屋や家を作ったのだが、非常に独創的である。
6.ダーチャでは多くの場合、外にトイレが設置されている。セヴェロドヴィンスクの住民が作ったすごいトイレは・・・エカテリーナ女帝時代の馬車風!立ったまま拍手を送ろう!いや、座ったままね。
7.コンデンスミルクの缶を模した貯水用の樽。ただ暑いときに割れないようにすること。ときどきそういうことが起きるのでね。
8.このお城のようなダーチャはオリガルヒのものかと思うだろうが、そうではない。チュメニ(シベリア)の歯科医が建てたものである。
9.木造の家ほど素晴らしいものはない。では、こんな木製のプールなんてどう?
10.ダーチャに本物の鉄道を敷くなんてロマンティストにしかできない技である。
おまけ:
トヴェリ近郊のダーチャ所有者たちは、街に向かうバスを待つ間、より暖かくて快適に過ごせるようバス停に絨毯を敷いた。