モスクワが核攻撃された際に生き延びる方法

Legion Media, Vexels, Alexander Kislov
 ロシアの首都にはメトロの駅を含め何千もの防空壕(核シェルター)がある。ただし、すべての駅が防空壕に適しているわけではない。

 想像してほしい。あなたはついていない。ここ数十年で見違えるほど姿を変えたモスクワへの旅行をかねてから計画しており、とうとうお金を貯めて単身あるいは家族や友人とモスクワに到着した。または、あなたがロシアの他の地域の住人から妬まれながら、そもそも首都モスクワに住んでいるとしよう。いずれにせよ、あなたはゴーリキー公園かザリャジエ公園を散歩している。自転車に乗っているかもしれないし、流行りのカフェでランチを食べているかもしれない。そこでいきなり核戦争が勃発する。

  敵がどの国かは重要でない。少なくともあなたはそれどころではない。国際政治のどのようなもつれが原因で頭上にキノコ雲が昇ろうとしているのか考えている余裕などない。逃げなければ。自転車を乗り捨て、ランチを諦め、家族や友人を置き去りにして(いやまあ、家族や友人はあなたと一緒に逃げるとしよう)。だがどこへ?

アナウンスを聞く

  現代の警報システムでは、ロシアの領土に対する核ミサイル攻撃を事前に察知することができる。政府には、政府自身が避難し、住民に警報を出す余裕があるだろう。したがって、この人生最悪の日にあなたが最初に耳にするのは、耳をつんざくようなサイレンの唸りだ。

  2008年、ロシア非常事態省の代表はロシア通信のインタビューに対しこう説明している。「合図は電子サイレンによって出される。その後住民は(…)ラジオかテレビ、あるいは住民通告複合システムを通して情報を聞かなければならない。」

  換言すれば、サイレンが鳴った後、あなたはラジオかテレビをつける。すると今何が起きているのか非常事態省から知らされる。核ミサイル攻撃の場合、できるだけ速く最寄りの避難所へ向かうよう勧告される。

どこへ逃げるべきか心得ておく

  モスクワにいくつ防空壕があるのか、正確には分からない。「モスレンタ」によれば、その数は5千~7千と見積もられている(冷戦期、ソビエト市民がいつ来るとも知れない第三次世界大戦に日々備えていた頃の遺物だ)。防空壕は原則として集合住宅の地下か、個々の地下施設の内部にある。 最寄りの防空壕の住所については、非常事態省は「各地区の教育相談所」に問い合わせるよう勧めている。

 相談所のリストはモスクワ市政府のサイトで見ることができる。とにかく、核紛争が起きてしまえば、いかに礼儀正しい役人が相手であろうと、悠長に話している場合ではない。したがって、「国民」防空壕地図を利用すると良い。

メトロへ向かう

  モスクワ・メトロは、核攻撃から身を守るのに最も有効な場所の一つだ。だがすべてというわけではない。2012年以降、メトロの駅に「市民保護のための施設」を建設することは放棄されている。マラト・フスニリン副市長によれば、「今日の財政は厳しく、そして戦争はおそらく決して起きない」ことが理由だ。フスニリン氏が正しいことを祈ろう。

  2012年以前の旧規格で作られた駅に関しては、核爆発の破壊的要因から実際に人間を救うことができる。核戦争が始まると、高気密の扉が閉まり、幸運にも駅構内に逃げ込めた人々を衝撃波と放射線から守る。さらに、この扉は化学兵器や生物兵器で汚染された空気も通さない。

 空いた場所を占める

  駅の奥深くへ行くほど、核による地上の終末を無事にやり過ごせる可能性が増す。理想的なのは首都で最も深い「勝利公園」駅(73メートル)だが、概して環状線内の駅の大半は防空壕に適している。ほとんどすべての駅が地下30メートル以上のところにあるからだ。メトロの各駅の深さを示した地図が市役所のサイトに掲示されている。

 「核爆弾が地表に直撃した場合は、メトロといえどもまず人々を救うことはできない。大爆発が起き、クレーターができる」とメトロ研究者のアレクサンドル・ポポフ氏はFURFURの取材に対して指摘している。「幸い、広範囲を破壊する主要な方法は空中爆発だ。[メトロの駅にいれば]人は何も見ず、何も聞かず、放射線に晒されず、高温に包まれることもない。」 さらに、各駅には何千人もの避難者を数日間養うだけの飲料水と食糧が備蓄されている。

  あなたと同様に怯えた群衆の中、駅のどこにいれば良いのだろうか。早い話が、群衆に押し流されるままに移動すれば良い(ただし近しい人たちが同行しているなら、彼らとはぐれないように。またパニックに陥らないよう注意しよう)。非常事態省の指針では、プラットホームか、駅に停車している電車内、トンネル内(大丈夫、電車は決して来ない)にいるよう勧められている。したがって、支持された場所でじっとしていよう。

急いだほうが良い

  防空壕か最寄りのメトロ駅まで走ろう。時間はあまりない。10分から15分(どこから発射されたかにもよるが、ミサイルが探知されてから到達するまで、これくらいの時間はある)。非常事態省やメトロの駅の規定では、住民に対する警報が出てから10分後に高気密の扉を閉めなければならない。状況に応じて「所定の時間を15分まで延ばすことが許される」が、それ以上延びることはない。

  「逃げ遅れた人々がいかに助けを求めようとも、扉が再び開くことはない」と1997年のニュース番組は楽観的に警告している。20年経った今も、規則は当時のまま厳格に残っている。というわけで、確実に生き延びたければ、戦争が決して起きないことを願うしかないだろう。

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