ミハイル・ブルガーコフの小説「巨匠とマルガリータ」を読んだ人なら、黒魔術師ヴォランド一行のお喋りな黒猫であることはご存知だろう。今、このベゲモートにそっくりな猫がモスクワにあるブルガーコフ博物館に住んでいる。見かけたらすぐにベゲモートだと分かるだろう。
ベゲモートは博物館のスタッフとして働いている。ここに最初に姿を現したのは2005年。自分の幼い子供に猫アレルギーがあることを知った若い夫婦が飼っていた猫をここに連れてきた。現在猫は自分のことを博物館のホストのように感じていて郵便箱をチェックしたり、ツアーに参加したりしている。メディアからの向けられる注目も楽しみ、カメラに向かってポーズもとる。お抱えのグルーマーがいることも驚くことではない。
アキレスという名前のエルミタージュ美術館の猫はロシアでもっとも人気のセレブ猫の1匹。白猫のアキレスは2018年のサッカーW杯の結果を予測し、そのいくつかは正解した。
実はエルミタージュ美術館では270年前、つまりエリザヴェータ・ペトローヴナ女帝の時代から猫はネズミを退治してきた。現在は60匹以上の猫が多くのヴォランティアや獣医らのサポートを受けてここに住んでいる。年老いた猫たちは美術館近くにある「猫共和国」という名前のカフェで暮らしている。
インスタグラム: https://www.instagram.com/achillcat/
ワシリサは博物館の職員たちに挨拶をして勤務時間をスタートする。毎日、展示室をチェックし、ほぼすべての会合に参加する。真の博物館のエキスパートと同じく、学術ライブラリーで時を過ごすのが好きだ。
このふわふわの3匹トリオはたいてい1階でまどろんでいるか、シェレメチェフの庭を散歩していることが多いが、詩の夕べや展覧会のオープニングの名誉訪問をすることもある。この3匹の猫はアンナ・アフマートワ博物館にずっと住むと決める前にもときどきここに通っていた。
3匹は一緒に時間を過ごすのが大好き。
何か企んでいるのだろうか?
この2匹の猫が博物館に現れたのは数年前。まだ2匹が子猫だったときのことだ。ザーヤはここに来たときとても弱っていたが、彼女はここの重要な猫になり、館長室でラグジュアリーなキャットライフを送っている。カーチャは、セルゲイ・エセーニンの作品のファンだけを好きになる(この博物舘に来た人ならほとんどがそうだと思われるが)。
サミュエルはここに住んで7年。食器棚の上がお気に入りの場所だ。サミュエルは階段で守衛し、ピアノを弾き、タイプライターの上で“仕事”(つまり歩く)する。普段職員たちはこれを許していないが、サミュエルがネズミを捕まえたときには好きなようにさせてやっているという。
プショク
informpskovこの猫は有名なロシアの詩人アレクサンドル・プーシキンが生活の拠点とし、執筆活動を行なっていた敷地を守っている。プショクはこの5年、人間に囲まれた生活をしているため、イベントに招待されないと非常に攻撃的になる。
あるとき、展覧会のオープニングに招かれなかったプショクはガラスの扉から寂しげにパーティを見ていた。後にようやく中に入る許可が出たとき、プショクは背中を向けて、去って行った。猫らしい態度というのはこのことである。
ルィジク
informpskov数年後、別の赤毛の猫ルィジクが博物舘に現れ、総合警備の職に就いた。ということで現在はプショクはゲストに挨拶し、その間にルィジクはネズミを捕まえている。
フィリモンはヴィボルグ城で最初のそして唯一の尻尾のついた職員である。証明書まで持っている。主な職務はネズミ捕りと観光客との写真撮影。どちらも素晴らしくこなしている。
美術館にぴったりなネーミングのこの猫は、ミーティングに出席し、誰かが遅刻してくるのを非常に嫌う。しかし展示品に手を触れることは許されていないので、普段は美術館のカフェにあるソファでまったりしていることがほとんどである。
トルストイの家には現代ロシアが形成される前、つまりソ連時代から猫がたくさんいた。これらの近隣の村に住む人たちが連れて来たのであるが、現在は”黒”、”白”、”縞”の3つの”氏族”が住んでいる。
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