ロシア女性が花好きなのはもう誰もが知っていることだが、ロシアには女性に花束を贈って祝う国民の祝日まである。多くの女性Tinderユーザーは、花を愛でればそれだけ、このアプリで相手を見つけるチャンスが増えると信じているようだ。そして自分のプロフィールと一緒に少なくとも一つの綺麗な花束の写真を投稿するのだ。
モスクワ出身の女性Tinderユーザーであるアンナ(19歳)は言う。「伝えたいことは、自分がどれだけ女性らしいかということ。 ありきたりだけど。そして今では、自分の写真でなく、たくさんの花束だけをプロフィール欄に載せている女の子もいる。おかしなことだけど」。
休日にロシア女性と会うと、自分の写真を撮ることがとても好きだと分かるだろう。だからTinderのプロフィール写真を撮ることはもはや素人仕事ではない。-プロの専門のスタジオで撮影し、デザイナーブランドの服を着、高価な美容室で髪をセットし、もちろん花束も。大変な作業である。
クラスノヤルスク出身のナースチャ(23歳)は、率直に語る。「誰かとデートしたとして、実際、私がどう見られるかが大事。多分写真も少しは役立つと思うので、最高の自分を見せても罰はあたらないと思う。 それで多くの人にアプローチできるし、これがこのゲームの目的だもの」。
西側ではTinderが本当にデートアプリなのかずっと議論されてきた。ロシアでも最近のW杯の間に似たような議論が湧きおこった。ちょっと見てみればすぐわかることだが、相手を引き付けるやり方がここでは違う。
「どの女性も”お酒は飲みません。タバコも吸いません。クラブに行きません”とプロフィールに書いているが、なぜなのかまったく理解できない」と、モスクワ在住の英国男性ベン(26歳)は言う。
モスクワ出身の28歳女性、エヴゲニヤの言葉がベンの質問の答えになるかもしれない。Tinderにおける清純志向だというのだ。「結婚相手を見つけたいのよ(プロフィールにもそう書いている)。 ストレートに言ったほうがいいでしょ。無駄な時間を使いたくないし。それにお酒もタバコもやらないと言ったほうが家庭的に聞こえるもの」。
正直であることがキーなのである。
「ある女性のプロフィールが空欄でないけれども、一行か二行だけの文章に、自分が恥ずかしがり屋で怖がりなので自分からは連絡できないと書いていることが多いけど、それは僕には良いメッセージだとは思えない。いい方にとれば、彼女らは面と向かって会うことを好むということなのだ」とベンは言う。
Tinderで男性が花の代わりに使うのは何だろう?お金?しかしアイルランドのアリス(24歳)によると以下のようである。
「ロシアのTinderでは札束を投稿する男性が複数いる。ベッドにばらまいたり、学生寮のカーペットに並べたり。おそらく、彼らは自分の「富」を見せつけたいのだろうが、これに騙される人はいないだろう」。
女性のために大金を使ってもいいと決心したロシアのTinderの男性たちは自分の猫と横たわる写真を投稿し、自分の優しさをアピールする。
サンクトペテルブルグのアンゲリーナ(22歳)はあまり良い印象を受けないとコメントする。「正直言って、右スワイプするための基準はルックス。猫がそばにいてもルックスはよくも悪くもならないし、必死な感じがするわね」。けっこう冷酷だ。
お金を載せるのと若干似ているが、ロシア人男性は買ったばかりの新型ラーダで自分の裕福さを見せつけるのが好きなようだ。アンゲリーナによれば、こちらも必死感がハンパないという。
「ロシアのTinderのプロフィールはレザーのジャケットを着て、サングラスをかけて、中型のスポーツカーに寄りかかった写真なしに終わることはない。これを女の子がみんな夢見ていると思ったら、それは大間違い!」
総じて、ロシア人男性は西側の他の国の男性に比べてより直接的にデートにアプローチする。まず自分からデートのプランについて書き、お金を払う。アメリカ出身のジェシカ(32歳)は驚きを隠せない。
「もしロシア人男性がティンダーでマッチングしたあとに(なかなかそうはいかないのだけれど)メッセージをしてきたら、その5分以内にはデートに誘ってくるの。これには複雑な気持ちがするわね。直接的なのはよいけれど、やはり少しチャットをしてその男性のことをもっとよく知りたいと思うから。5分以内にデートに誘われてイエスと言うには、今まであまりに多くの変なブラインドデートをしてきたのよ」。
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