メールオーダー花嫁についてのジョークはよく口にされる。アルゼンチン人サポーターがどうすればロシア人女性を喜ばせることができるかというガイドがある。これらはすべて、ロシア女性があまりにも家庭的である(見返りを求めずにいつもおいしい食事を用意してくれる)とか、また同時に簡単についてくる(彼女らに向かってアメリカのパスポートをチラつかせれば)とかのステレオタイプな認識から来るものである。
しかしこれらの話は、他のステレオタイプな情報と同じで、実際からは遠く離れている。確かに、ロシアの多くの女性がまだまだ家庭的であり、単によりいい暮らしを求める(それはどこでも同じだが)にしても、今どきの教育を受けた女性の多くは性別に関わらず同等の権利を求めるし、誰かにどこの国籍や出身地でも尊敬できるパートナーを求めることよりも外国人を選んでいると指摘されようものなら怒り狂うだろう。
ロシアでは全員がフェミニストではないが(そういう人も実際には多いが)、ロシアで大なり小なり不平等さがあることは認めており、性を超えた平等さと尊敬を求めている。何人かのロシア女性と話して、意見交換し、ステレオタイプな認識を打ち破って敬意を持って扱って欲しいと思っていることをリストアップしてもらった。
異なる状況で、挨拶の仕方は変わるかもしれない。握手だったり、会釈だったり、あるいは勝利の雄叫びや儀式的な踊りかも知れない。しかし何れにしても、男にも女にも同じように接してほしい。
「以前、義父が仕事上の大切なパートナーと会議をしたときに手伝ったことがあったんです。2ヶ月のもの間、スカイプを使って彼と交渉ごとをしたのだけど、最終的に会議の場で会ったとき、私のところに握手に来たのは会議の終わりで、しかも私の手にキスをしたんです。それで私は彼らに調査の結果を見せたり、提案をしたりする気が一瞬で失せてしまいました。私は侮辱されたと思ったのです」。ジャーナリストであるマリヤ・グリゴリアンさんは語る。
女性を自分の部屋でお茶を飲んだり、映画を見たりするのに誘ったら、それだけを期待すること。もしそれ以上のものを期待して誘ったのであれば、騙したと思われ、警察に駆け込まれるかも知れない。
「私の友人のジャズ歌手は、誘われて同級生の部屋にお茶を飲みに行きました。彼女は彼をただの友達だと思っていて、それ以上の考えはなかったのですが、彼は彼女に襲いかかって体を求めたのです。彼女は”ノー”と言って明確に拒否し、かろうじて逃げることができました」。歌手のビクトリヤ・アンドレーエワさんは言う。
つまり、女性が”ノー”というときは、”ノー”を意味するのである。
実際にその女性と面識がないとしても、彼女を性の対象として扱って侮辱していいということにはならない。今度、相手の嫌がるふざけたメールを見知らぬ女性に送ろうとするときには、自分の母親や、姉、妹、仲の良い女友達のことを思い出してほしい。
「前に、ある男がTinderで普通の会話をしている途中に、突然自分の裸の写真を送りつけてきたの。許可なくそんなことをしないでと注意したら、サイコパス呼ばわりされたわ。とても怖かったけど、同時に笑えたわ」。そう話すのはドキュメンタリーの脚本家のタチアナ・カメネツカヤさん。
男性の男らしい態度は好感が持てると多くの女性が感じている。ロシアでは、女性のためにドアを開ける、重いものを運ぶ、席を譲ることは良いマナーだとされる。
しかし、お金を支払いとなると、事は複雑になる。多くの女性が言うには、最初のデートや、仕事上での会食は割り勘の方がすっきりする。ただ中には、気品をあらわすジェスチャーとして奢ってもらうと言う人もいた。とにかく、あらかじめ確認しておいたほうが良いだろう。もちろん、女性にご馳走するにしても、見返りは期待してはいけない。
IT関係のプロジェクトマネージャーであるマリヤ・リヴェンさんが言う。「最初のデートでは割り勘にして、場所も一緒に選ぶ方がいい。最初に会ったときに知りたいのは、相手の経済力ではなくて、人柄だから」。
人前で相手の容姿や人柄を褒めることは、彼女や周りの女性たちにとっても失礼だと思われることが多い。
「外見よりも知的な中身の方を高めるのにより努力をしているので、持っている知識や、これまで努力して達成してきたことについて褒められる方が、どう見えるかよりも嬉しいわ。外見については、お祝いの席やパーティーの席など、特別に着るものやメイクに努力をしたときに褒めてほしいわね」。同じくITプロジェクトマネジャーのマリヤは言う。
またジャーナリストのマリヤ・グリゴリアンさんは、「褒められるのは嬉しいけど、人の前では嬉しくないわ。特に知らない人や他に女性がいるときは。そんなときに褒められると、とても悪い気がするの」と話している。
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