ロシア語の難しさ:外国人学習者の生の声は?

Russia Beyond (Photo:Westend61/Getty Images)/Getty Images
 ロシア・ビヨンドの読者に、ロシア語学習においてどのようなハードルに直面したのか尋ねてみた。

 「ロシアの長くて寒くて厳しい冬の夜、ロシア人は、退屈して何か娯楽を探していた。それで、無数のディテールをもった複雑極まる言語を発明することにしたわけだ。彼らはそれを芸術作品のようなものにしたかった」。ロシア・ビヨンドのフォロワーの一人であるセリムさんは、ロシア語の起源をこのように“理論化”してみせた!

 ロシア語の学習は片手間では済まない。そこで、読者の意見から、最大の難関を三つ選んだ。

キリル文字

 少なからぬ人が最初に遭遇するハードルがキリル文字だ。しかし、よく見てみると、多くの文字が、言ってみれば、長い間行方不明になっていた従兄弟とか、ラテン文字のドッペルゲンガーのようなものだと分かるだろう。

 ハンドルネーム「Z」の読者は、次のように書いている。「私は毎日ロシア語を勉強しているが、四苦八苦している。とはいえ、日に日に脳は慣れてくる。今では英語で『P』を見ると、私の脳はロシア語のように『R』と発音する(笑)」 

キリル文字のクイックガイド

  • フレンドリーな友だち:K [k], A [a], O [o], C [s], M [m], T [t], E [е]
  • 人をだますドッペルゲンガー:У [u], H [n], X [h], B [v], P [r]
  • 魔法の一角獣:Ц [ts], Щ [shch], Ж [zh], Ъ (硬音符), Ь (軟音符), Ы (深~い [i] の音)

筆記体

 アルファベットを理解するのは、試練とまでは言えないかもしれない。しかし、ロシア語の筆記体を判読するのは、これはもう容易ならぬチャレンジだと言っていいだろう!

 読者のNuさんはこうぼやいている。「なぜ、筆記体で『m』の形の文字が、実は『т』(t)なのか? なぜ、『д』(d)が、筆記体では『g』みたいに書かれるのか? でも、いつかは慣れてしまうだろう。人間の脳って面白いね」

 しかし、ロシア人の読者であるスヴェータさんが皮肉を言っているように、ネイティブのロシア人でも、自分が走り書きしたメモを判読し難いこともある。

格と動詞

 読者のマルチンさんは、英語との類似点に触れつつ、ロシア語の格という難題を単純化して説明する。

 「『he loves her 彼は彼女を愛している』と『she loves him 彼女は彼を愛している』では、『he/she』と『him/her』は、“役割”を交換する。これと同様に、ロシア語における名詞は、文中での“役割”によって形を変えるので、語順が柔軟になる」

 ロシア語などのスラヴ諸語では、動作の主体を表わす「主格」以外は、すべての名詞が格変化する。そして、格変化は、文中で果たす役割(動作の目的、手段、方向…)による。その結果、英語よりも語順が柔軟だ。格変化を見れば、その役割が分かるから。

 アラビア語を話すジェスリさんは、ロシア語とアラビア語の間に類似点を見出している。そして、名詞の格の習得には、“直観的”に取り組むことが役立つかもしれないと言う。とはいえ、ロシア語の動詞を学ぶ旅は、紆余曲折に満ちたものとなるかもしれない。

 このように、ロシア語には独特の関門が控えているが、結局のところ、どの言語を学ぶにしても、さまざまな発見の旅となるだろう。Owiさんは賢明にもこう言う。

「実践こそが魔法の鍵だ。そして、学習に年齢は関係ないということを忘れないでほしい」

ロシア・ビヨンドがTelegramで登場!ぜひフォローをお願いします!>>>

もっと読む:

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる