恋人への甘~い呼びかけ7選:ウサギちゃんから「あんよちゃん」まで

Legion Media
 愛情を込めた甘い呼びかけといえば、“baby” や “honey” を思い出すが、ロシア語にははるかにたくさんこの種の言葉がある。

 「コーチク(子猫)、ラーポチカ(足、あんよ)、すごくおきれいですね!」。もし、あなたが女性との会話で直ちにこの種の言葉を使い始めたら、ロシアのほとんどすべてのまともな女の子は激怒するだろう。

 この手のロシア語のいわゆる「指小形」、愛称形は、すでによく知っている人とのコミュニケーションでのみ役に立つ。

 これらの言葉は強い愛情を示すので、乱用すると偽善のしるしだとみなされる。このことを念頭に置いたうえで、ロシア語で最もよく使われる、愛称などの愛情の籠った言葉について簡単に説明していこう。

 

Лапочка(ラーポチカ〈足、あんよ〉)

 ドラマ『ナイン・パーフェクト・ストレンジャー』では、ニコール・キッドマン演じるマーシャ・ドミトリチェンコが、間違ったストレスで、つまり「lapOchka」とこの言葉を発音している。しかし、ロシア語のこの言葉は、最初の音節にストレスが置かれるので、「lápočka」という発音になる。

 “Лапочка” は、「足」を意味する “лапа” (ラーパ)の指小形、愛称形だ。だから、「あんよちゃん」となるわけだが、ロシアの言語学者は、子供に対してもよく使われる、この愛情表現の語源については、明快に説明できない。赤ちゃんの手足がとても小さいからだろうか?

 ガールフレンドに使う “Lapochka”は、英語なら “lassie” と訳せなくもないが、ニュアンスが違う。英語の “lass” は、古ノルド語の “laskwa” (女性の形容詞)、つまり「未婚」に近い意味だ。ところがロシア語では、 “lapochka” は、家庭で男性にも女性にも用いられる甘い愛情表現である。

 

Зайчик (ザイチク〈ウサギ〉)

 “Зайчик” (「ザイチク」と発音する)は、「小さなノウサギ」、「ウサギちゃん」といった意味だ。家庭で子供を寝付かせるときのおとぎ話によく出てくる主人公あるいは動物である。

 ロシアの森林では、アナウサギ(rabbit)よりも、ノウサギ(hare)のほうがはるかに多く繁殖している。

 現代ロシアのほとんどの子供は、野生のノウサギを見たことはないが、それでも「ザイチク」(ノウサギを意味する「ザイカ」の指小形、愛称形)は、今でも人気ある愛情表現として用いられている。

 

Котик (コーチク〈ネコちゃん〉)

 「オスネコ」を意味する “кот” の指小形、愛称形 “котик” (「コーチク」と発音する)は、ロシア語で最も広く使われる、動物の名に基づく(愛情を込めた)呼びかけの一つだ。これは誰に対しても…犬に対してさえ使うことができる。つまり、愛犬に向かって「ネコちゃん」ということもあり得るのだ。

 ただし、雄犬 “пёс” (ピョース) の指小形 “пёсик” (ピョーシク)は、決して愛情表現とはみなされないのでご注意。

 

Малыш (マルイシ〈子供、赤ちゃん〉)、детка (ジェートカ〈同〉)

 「赤ちゃん」を意味する “малыш” と “малышка”(それぞれ男性形と女性形で、〈malýš〉、〈malýška〉と発音される)は、愛する人に対しても使われるようになった。

 他に同義語がある。“детка”(détkaと発音)と、指小形、愛称形 “деточка”(détočkaと発音)だ。この言葉は、文法的には女性形しかないが(語尾が「a」なので)、男の子にも女の子にも同じように使える。

 しかし、これらの言葉(および以下の “kroshka”)を使うと、場合によっては、見下しているようにとられかねないことに注意しよう。だから、本当に親しい人にだけ使ってほしい。

 

Крошка (クローシカ〈可愛い人、おちびさん〉)

 “Кроха” (króxaと発音)と、その指小形 “крошка” (króškaと発音)は、まず第一に、パンやビスケットの小さなかけらを意味する。小さなカワイイものなので、“крошка”のほうは、子供や愛する人にも使われる。女性形しかないが、男の子にも使える。

 

Солнышко (ソーヌイシカ〈太陽、お日さま〉)

 “Солнышко” (sólnyškoと発音)は、 ロシア語の「太陽」、すなわち“солнце” (sólnceと発音)の指小形だ。この愛情表現は、その人があなたの人生において太陽のように輝いていることを意味する。しかし、本当に感じよく思われたいなら、指小形を用いるほうがいいだろう。

 また、“звёздочка” (zvjózdočkaと発音)、つまり「小さな星」、「お星さま」も、同様に使われる。

 

Птичка (プチーチカ〈小鳥ちゃん〉)*その他の類似表現が多数ある

 「鳥」を意味する“птица” (ptícaと発音)の指小形が “птичка” (ptičkaと発音)だ。意味と用法は、さっき述べた “zaichik” (ウサギちゃん)と “kotik”(ネコちゃん)に似ているが、主に女子に使われる。

 実際のところ、ロシア語は、愛情表現の呼びかけとして使える、小さなカワイイものに満ちている。そしてそれらは主に、何らかの動物、生物に基づく。

 “креветочка” (krevetochkaと発音――小さなエビ)から “тигренок” (tigrenokと発音――小虎)、“пирожочек” (pirozhochekと発音――小さなピロシキ)、“рыбка” (rybkaと発音――小さな魚)にいたるまで、本当に熱い愛情を表すことができる。ただ、自分の気持ちに率直で真実であり続けることを忘れないで。

 一方で、こうした指小形のなかには、悪いニュアンス、否定的な意味合いを持っているものもあるので、必ずしもあなたの愛する人を喜ばせたり、楽しませたりするとは限らない。その点も覚えておこう。

 たとえば、“обезьянка” (obezyankaと発音――子ザル)、 “поросёночек” (porosenochekと発音――子豚)、 “пончик” (ponchikと発音――ドーナツ)などは、ロシア人の女子が聞いて嬉しがることはないだろう!

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