チキンとポテトのジューシーパイ、タタールのエレシ(レシピ)

ユリヤ・ムリノ
 このおいしいパイを作るのには何の秘訣もない。そして特別な食材を用意する必要もない。ただ作ってみればよいだけ。ベーシックな生地と鶏肉とジャガイモがあれば、ジューシーでおいししパイができる。

 本物のタタール料理はタタールスタン共和国(モスクワから西へおよそ500キロ)で食べることができるもので、特にミートパイの種類が豊富であることでよく知られている。よく似たフィリングが入ったパイがいくつもあるが、その形で、中に何が入っているのかが分かるようになっている。

 エレシはタタールの伝統的なパイで、その名前は「一部」あるいは「取り分」を意味する。羊肉または牛肉で作るタタールのもう一つの有名なパイ、エチポチマクとは異なり、エレシには角切りの鶏肉、じゃがいも、タマネギ、そしてスパイスが入っている。生地はイーストを使わず、サワークリームとバターを入れて作る。見た目でこのパイを別のものと混同することはけしてない。エレシは丸くて、閉じられていて、タタールのパイ、ズール・ベリシュを少し小さくしたような形をしている。

 エレシの特長はたっぷり入ったジューシーなフィリングとサクサクのパフペーストリーのような生地。カリッとした生地が調理器具の役目を果たし、そこでフィリングが焼かれたパイである。鶏の胸肉の代わりに、もも肉を使っても、よりジューシーに作ることができる。 

 エレシは心のこもったとてもおいしいパイで、普通は何か特別なイベントがあるときや、大切な訪問客があるときに焼かれる。エレシは紅茶またはビーフブイヨンと一緒に食べると特においしいが、単独で、あるいはスープに添えても供される。

材料(4人分):

生地:

小麦粉 - 250 g

卵 – 1個

植物油 – 大さじ2 

溶かしバター – 大さじ3 

サワークリーム(20%) 大さじ2 

水 – 大さじ2 

塩 – 小さじ1/2 

砂糖 – 小さじ1/2 

フィリング:

鶏肉(もも肉) 250 g

ジャガイモ 150 g

玉ねぎ(大) 1個  (80~100g)

バター  40 g

塩 適宜

黒胡椒 適宜

溶かしバター(表面に塗る) 30~50g

作り方:

1. 生地の材料すべてをフードプロセッサーにかける。

2. すべてを合わせ、なめらかな生地にする。

3. 生地を丸めたら、ジップロックに入れ、フィリングができるまで冷蔵庫に入れておく。

4. ジャガイモは皮をむき、角切りにする。クラシカルなエレシではジャガイモは1.5~2センチの大きさに切るが、ここでは少し小さめに7ミリくらいにする。小さくカットした方が、パイの中により均等にフィリングを詰められる。

5. 玉ねぎはみじん切りにする。

6. 鶏肉も角切りにし、ジャガイモ、玉ねぎと合わせる。

7. 塩、胡椒を加え、よく混ぜる。

8. 生地を冷蔵庫から取り出し、4等分する。

9. それぞれを1/3と2/3になるよう分ける。

10. 大きい方を丸くのばす。

11. その上にフィリングを乗せ、バターをひとかけら置く。

12. 小さい方の生地をのばし、フィリングを覆うように乗せる。

13. 端を丁寧に留める。

14. 留める部分は波型にする。

15. パイを天板に乗せ、180度に予熱したオーブンに入れて45分焼く。

16. 茶色に色づいたら、溶かしバターを塗る。

17. 出来上がり。熱々でいただく。

18. どうぞ召し上がれ!

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