カリンニク:古くから伝わるおばあちゃんお得意ロシアの田舎パイ(レシピ)

オリガ・ブロフキナ
 数百年前は、このベリーパイはキャベツの葉を使って焼かれたので独特の模様がついていた。今では、作り方も現代的になり、チョコレートとコンデンスミルクで覆われ、ナッツで飾られている。そしてそれは最高においしい!

 このパイの名称「カリンニク」は、そのフィリング ―― ガマズミ(ロシア語でカリーナ)が由来だ。このベリーは、森林のあたりに生えており、誰でも摘みに行くことが出来る。時が移り、家庭の主婦たちはフィリングにリンゴを加えるようになっていった。

 かつて、このパイはライ麦粉でつくられていた。その当時、小麦粉は高級品で、お金を持っている人だけのものだった。

 19世紀の辞典編纂者ウラジーミル・ダーリはカリンニクについてこう書いている。「ここの女主人はパイの生地にガマズミをひとつまみ加えて伸ばし、乾いたキャベツの葉に包んだ。そしてそれを天板にのせてロシア式オーブンで焼いた。いい匂いが漂ってくると、オーブンを開けて、熱々のカリンニクを取り出すのだ」。

 今では、リャザン州ノーヴォエ・ベレゾヴォ村の人々が先祖代々受け継いできたレシピが再発見されている。カリンニクはおばあちゃんやひいおばあちゃんが焼いたものだそうだ。今日、グルメ祭りなどのおかげで、この村に行かなくてもこのパイを味わうことができる。

 ここではカリンニクを現代風に、ライ麦粉、小麦粉、チェリー粉でつくったパイにホワイトチョコとコンデンスミルクでコーティングして作る。以前はこのような作り方をすることはなかった。このカリンニクの材料が持つ甘味、酸味、苦味 ーー 様々な味わいが調和しているので、味が豪華に忘れ得ないものになる。

材料(パイ1台分):

フィリング:

  • ガマズミ 500g
  • 青リンゴ 400g
  • 砂糖 300g
  • ペクチン 6g

生地:

  • バター 130g
  • 砂糖 100g
  • チェリー粉 30g
  • ライ麦粉 50g 
  • 小麦粉 150g
  • 生クリーム(33%) 50g
  • 卵 2個 
  • ベーキングパウダー 5g

グレーズ:

  • ホワイトチョコレート 80g
  • 砂糖 70g
  • コンデンスミルク 50g
  • 水 40 g
  • グルコースシロップ 70g
  • ゼラチン 6g

スプリンクル:

  • ローストピーナッツ 120g

作り方:

1. まずフィリングを作る。りんごは皮を剥き、小さくカットし、少し水をふりかけ、180℃のオーブンで30〜40分焼く。

2. ガマズミの枝を取り除き、水で洗う。

3. ガマズミに砂糖を加え、火にかけ、沸騰させる。

4. ガマズミと焼いたりんごをブレンダーで潰す。

5. ガマズミとりんごにペクチンを加えて火にかけ、絶えずかき混ぜながら、沸騰させる。別々の器に入れ、ラップで蓋をする。フィリングは冷蔵庫に入れ、数時間置く。

6. 生地を作る。チェリー粉に温めた生クリームを加えてよく混ぜる。

7. 室温に戻したバターと砂糖を混ぜ、卵、チェリー粉を加えて、泡立てる。

8. 別の深いボウルにライ麦粉と小麦粉、ベーキングパウダーをふるう。

9. 小麦粉の入ったボウルにバターと溶き卵と砂糖を加える。

10. しぼり袋を使って、生地を型の端に注ぎ入れる。

11.(写真のように)真ん中はフィリングのためのスペースをあけておく。

12. フィリングを、残った生地で覆い、150℃のオーブンで40〜50分焼く。

13. グレーズを作る。ゼラチンは冷水につけておく。

14. 水、シロップ、コンデンスミルクを片手鍋に入れ、沸騰させる。

15. 熱いシロップを少しずつホワイトチョコレートにかける。ゼラチンを加え、ブレンダーですべて混ぜる。数時間以上、冷ます。

16. スプリンクルのために、ピーナッツを煎り、皮を剥く。冷ましたピーナッツ(他のナッツでもよい)をとり、小さく刻む。

17. 冷ましたパイの表面にアイシングを注ぐ。

18. 凍らせて、パイの縁にピーナッツを振る。

19. どうぞ召し上がれ!

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