北極圏の独特なストリートフード料理7選(写真特集)

 北極圏内最大の都市ムールマンスクでは、地元のカフェがおなじみのピロシキやブリヌィなどにも「北極」風味を加えることにより、ストリートフードの概念を覆している。

 最近の北極圏のストリートフードは北方民族の伝統料理の良さを残しつつ、新たな変化を見せている。北極圏内にあるムールマンスクや近隣の町に行くと、地元のお祝いやイベントでちょっと変わったストリートフードを味わうことができる。

1. 蟹のベリャシ

 ベリャシとは、ロシアでもっとも有名なファーストフードのひとつである。円い形をした揚げパイで、挽き肉が詰められている場合が多いが、ムールマンスクには、蟹を詰めたベリャシがある。このパイを供する地元のレストラン「ツァールスカヤ・アホータ(皇帝の狩猟)」は、イベントなどがあると、北極圏の料理をつくってくれる。そしてこのような料理を求めて店の前にはいつも長い行列ができる。ところで、この蟹のベリャシは2022年5月末にムールマンスクで開かれたグルメ・フェスティバル「アークティック・シネマ・クイジーヌ」で最優秀賞を獲得している。

2. ザイブリカ

 一見発音しにくそうなこの単語は、魚のシチューとスープの間のような料理のことを指す。ザイブリカは、ポモール族の伝統料理で、魚(たいていは鱈)をジャガイモ、ニンジンと茹でて作り、時には茹で汁を加えて食べる。この料理は、バレンツ海沿岸のテリベルスキー・ベレグの旅行者用施設のメニューにもあり、また、ムールマンスクのイベントの屋台でも味わうことができる。これはまさしく北方の料理で、寒い気候の中でも体をポカポカと温めてくれる。 

3. 鹿のストロガノフ

 誰もが知るロシア料理の定番、ビーフストロガノフの北極圏バージョン―鹿肉でつくるストロガノフ。ザポリャルヌィにある「ミスターブラック」ハンバーガーの屋台を始めた人が町のイベントのためにこの料理を考え出した。作り方は至って簡単で、マッシュポテト、鹿肉のスライスのクリームソースがけ、コケモモ、ピクルスだけ。円い紙製丼状の容器でポキ丼のように出される。

4. ヤーゲル・ヨジュ

 実際、ヤーゲルとはトナカイが昼食として食べる地衣類のことだ。しかし、北方では人間が食べる食事にもよく使われる。「ヤーゲル・ヨジュ(ハリネズミのヤーゲル)」と呼ばれる料理は、ポリャールニエ・ゾリ・スキーリゾートで食べられる地元料理のひとつで、またムールマンスク州ではストリートフードとして屋台でも食べられる。「ヤーゲル・ヨジュ」はヤーゲルにパン粉をつけて、エビ、ホタテ、クラウドベリーなどを溶かしたチーズにいれて餡として詰めて揚げたコロッケである。

5. バレンツ海のポケット

 ムルマンスクの住民はバレンツ海で獲れたシーフードをふんだんに楽しむ事ができる。それを利用して、新しい北極圏料理を専門に扱う地元のレストラン「フレンドシェフ」は、あるサンドイッチを考え出した。「バランツ海のポケット」は、ライ麦粉で焼いたバンに鱈の肝、バターにニンニクとレモン汁を加えて炒めた蟹、ジャガイモ、卵、サワークリームとマスタードのドレッシングをはさんだものだ。バレンツ海のポケットはここのいつものメニューに載っているだけでなく、イベントでの屋台ででも販売される。 

6. 北国のパンケーキ

 ザポリャルヌィの町には、「パンケーキ・ハウス」と言う名の屋台のカフェがある。そしてこの屋台はムールマンスク州のどのイベントにも欠かさず出店している。ここでは、多彩は北極圏の食材を餡にして詰めたブリヌィを焼いて販売している。もっとも人気があるのは、鹿肉入り「北国のアロマ」と、海老入り「北国の天使」、キャビアとクランベリーの入った「北極圏の贅沢」、ブルーベリーとイチゴの入った「オーロラ」だ。これらは他のどの場所に行っても絶対に味わえないだろう。 

7. サーミ・ウシャ

 サーミ族はロシア北方の先住民族であり、トナカイの放牧と漁で暮らしている。この民族の料理で元も知られているものは、サーミ・フィッシュスープである。他のウハーのようなスープと違い、サーミ・スープは、クラウドベリーやブルーベリーなどのベリー類が入っていることである。食べ方としては、先に魚を食べて、それからスープを飲むのが伝統である。

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