アルハンゲリスクには、クリスマスイヴの日に、「コズリ」と呼ばれるカラフルなシュガーグレーズで美しく飾ったジンジャーブレッドを家庭で作るという長く伝わる伝統がある。コズリが焼きあがると、スパイシーでおいしいシナモンとクローヴの香りが家中に広がり、祝日を前にしたなんとも言えない待ち遠しい雰囲気に包まれる。
「コズリ」の名前の由来については諸説ある。1つは、富と幸福のシンボルである「ヤギ」という単語からきているというもの。もう1つは地域の方言で「くるっと巻いた」という意味を持つ言葉からきているというもの。というのも、オリジナルのコズリは、細い生地を編むように作られていたからである。
コズリは、ヤギ、トナカイ、羊、牛、ネコ、鳥など、さまざまな動物の形をしている。これはキリストの飼い葉桶の周りにいた動物を象徴したものである。コズリはすぐには食べず、そして捨てられることはない。シナモンとクローヴが入っているおかげで、長いこと保存することができるのである。
元々、コズリは特徴的な茶色にするためライ麦粉で作られていたが、後に、生地に特別な材料が加えられるようになった。それは「ジジェンカ」という、煮詰めて茶色いカラメルにしたシュガーシロップである。
コズリは焼いた後、泡立てた卵白で作ったグレーズとパウダーシュガーで様々に装飾する。
生地の作り方は家庭によって様々で、どの家庭にもオリジナルのレシピがある。ここでは、とっても柔らかくて甘いロシアのコズリが作れる昔ながらのレシピをご紹介する。
1. 砂糖とハチミツの半量を大きな鍋またはフライパンに入れ、茶色に色づくまで煮詰める。
2. 煮詰めた砂糖とハチミツに、ゆっくりと熱湯を注ぐ。熱いカラメルがはねるので、顔や手を火傷をしないよう、ミトンをするなど十分に注意すること。
3. カラメルが出来上がったら、残りの砂糖とハチミツを加えて火にかけ、絶えず混ぜながら、砂糖を完全に溶かす。
4. 鍋を火からおろし、少し冷ます(1〜2分)。
5. 4にバターを加える。
6. スパイスを加え、混ぜ、60〜70℃まで冷ます。冷めたら、小麦粉を1カップほど加えで、滑らかな生地にする。
7. 6を25℃くらいまで冷ます。別のボウルに全卵1個と卵黄を入れ、フォークで混ぜる。卵白はグレーズに使うので冷蔵庫に入れておく。
8. 混ぜた卵を冷ました生地に加える。
9. 小麦粉1カップに塩とソーダを加えて混ぜる。少しずつ小麦粉を加えていき、スプーンでかき混ぜられないくらいほどの硬さになるまでこねる。
10. テーブルの上に生地を置き、なめらかになるまでよくこね、少しずつ小麦粉を加えて、粘土のような、ほどよい硬さにする。
11. 生地をラップに包むか、ボウルに入れて蓋をしたら、1日(少なくとも一晩)冷蔵庫に入れる。
12. 冷蔵庫から取り出した生地を少し常温に戻したら、小麦粉をつけるか、表面にラップをしてのばす。
13. ベーキングペーパーの上で、型を抜き、好みの形のクッキーを切り、180〜200℃のオーブンで5〜10分焼く(サイズや厚さによる)。完全に冷めたら、ジンジャーブレッドをシートからはずす。
14. 卵白2個とシュガーパウダーでグレーズを作る。グレーズをツヤのある白さにし、なめらかにするため、10〜15分しっかり混ぜる。
15. 冷ましたコズリをお好みに飾る。グレーズが完全に乾いたら、瓶などに入れて、数ヶ月保存できる。
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