サンクトペテルブルク(ソ連時代のレニングラード)で豪華な夜を過ごすのに祖父母にとって特別な場所の一つだったのが、レストラン「メトロポール」である。ロシア帝国時代、ソ連時代、メトロポールは、チキンカツレツやビーフステーキ、クレビャカなどのロシア料理を主に供していたが、現在は各国の料理をオーダーすることができるようになり、おいしいベルギービールでも有名である。
ソ連時代、メトロポールは、レオニード・ブレジネフ元書記長、ロナルド・レーガン元米大統領、ジャック・シラク元仏大統領など、共産党幹部の政治家や重要な招待客が訪れる高級レストランであった。しかし、メトロポールで出される料理は一般の人々も食べることができた。ソ連時代、レストランでは、「メトロポール・カツレツ」と呼ばれる超人気の料理を供していた。鶏の胸肉とレバーが主な材料であった。品不足の時代、調理師たちは、普通は廃棄してしまう豚肉や鶏肉の一部をうまく使う方法を探していた。そしてその結果、この驚くほどジューシーでカリカリしたカツレツが出来上がったのである。
のちにわたしは幸運にもこのレシピを習得することができた。そしてそのとき、このレストランのメニューの中に、家庭でも作れるものが他にないかと考えた。そしてある日、偶然「キャセロール・メトロポール」という料理に遭遇したのである。それは有名なロシアの料理ブロガー、イリーナ・フレブニコワのレシピで、メトロポールの主要材料とちょっと独特な材料を融合させた最高に素晴らしいものであった。鶏の胸肉とレバーの他に、キノコとソースがこのキャセロール(ロシア語でザペカンカ)をとてもヘルシーなものに仕上げてくれる。
コーティング用:
1. まずフィリングから作る。タマネギはみじん切り、ニンジンはおろし器でおろす。タマネギをフライパンに入れ、植物油を加え、薄い黄金色になるまで炒める。ニンジンを加え、2〜3分炒める。
2. マッシュルームは洗って切り、柔らかくなるまで炒める。塩コショウで味を調える。
3. レバーを洗い、肉ひき器にかける。肉ひき器がなければブレンダーにかける。
4. 温めたフライパンに植物油をひき、細かくしたレバーを数分炒める。塩コショウで味を調える。
5. 鶏の胸肉は半分にして、それぞれ3枚にそぎ切りする。肉はそれぞれ叩いて薄くのばし、塩コショウで下味をつけ、しばらく置いておく。
6. ジャガイモは皮をむき、1センチ半くらいの厚さにスライスする。ジャガイモが固いままにならないよう、塩を加えた水で3〜4分、下ゆでしておく。
7. 大きめの天板(22x33cmくらいの長方形の天板か同じくらいの大きさの丸型がよい)にバターを塗り、パン粉をふりかけ、下ごしらえした材料を層に重ねていく。
8. まず鶏肉半量を置く。
9. 次にタマネギとニンジン半量を置く。
10. 次にレバーを重ねる。
11. その次にジャガイモを乗せる。
12. その上にマッシュルームを置く。
13. また鶏肉、タマネギとニンジン、レバー、ジャガイモを重ねていく。
14. 最後に、卵とサワークリームを混ぜ、塩コショウしたものを上からそっとかける。
15. 180度のオーブンで1時間から1時間20分ほど焼く。キャセロールは焼き色がつき、表面がカリカリしてくる。
16. おいしくてヘルシーなキャセロールの出来上がり。おもてなしにどうぞ。
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