ブリヌィはもっとも伝統的なロシア料理のひとつである。多くの作り方があって、甘いもの、塩味のあるもの、トッピングされているもの、クレープを使ったケーキやパイ、クレープ・ロールなどだ。クレープにかけるのもサワークリームや蜂蜜からキャビアにいたるまで実に多様である。
わたしにとって具を入れたブリヌィは何か特別なもので、我が家では2種類のブリヌィがある。バニラ・クワルクを使った甘いものと、挽き肉を入れたおかず系のものだ。子供の頃から、これは特別なお祝いの料理だったのを覚えている。
驚いたことに、母に具を入れたブリヌィのことを話したとき、ソ連時代やおそらくそれ以前にはまったく別の意味があったことを知った。当時は残り物を使って作ったというのだ。実際、1週間にわたってブリヌィを毎日食べるマースレニッツア(春の訪れを祝うバター祭り)の終わりごろには、ブリヌィが残ることがあり、それを翌日に食べるのは好まれなかった。そこで料理の知恵が生み出されたのである。祖母や母はミートストックを使ってスープを作った後、その肉を取り出して細かく刻み、ブリヌィの具にしたものだ。ストックのすべてのエキスが肉にしみこんでいてとっても味が良くなっているのだった。
具を入れたブリヌィについて多くのことを学んだあと、わたしは自分自身の作り方を考え出した。まず、ブリヌィを薄くて柔らかく作って具を包みやすくすること。生地に熱湯を加えるとこうすることが出来る。それから、炒めた玉葱とハムの脂身を使うと具に湿り気を与えることが出来、とてもジューシーになること。肉を詰めたブリヌィを食べるときはサワークリームを添えると爽やかな食感になる。我が家ではまだ外が寒い時には、この驚くほど美味しいスモークハム入りブリヌィを食べるのが大きな楽しみである。
1. 牛乳、卵、砂糖、塩を深いボウルに入れる。
2. 小麦粉をふるい入れる。
3. 具を作っている間、生地を休ませる。
4. タマネギはみじん切りにして、柔らかく黄金色になるまで炒める。
5. 挽き肉を加えて、肉に火が通るまで炒める。
6. 具をより柔らかくするため、挽き肉とタマネギにハムを加えて、フードプロセッサーにかける。スパイスとニンニク1片を加えて、フライパンで2分ほど炒める。
7. 生地にお湯と油を加える。
8. フライパンに薄く油をひいて、ブリヌィを焼く。
9. ブリヌィに具を入れ、小さな封筒のように包む。
10. 同じフライパンを使って、これを焼く。ハムをさらに加えてもよい。
11. これで出来上がり!どうぞ召し上がれ!
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