マントゥイ: 肉とジャガイモが入ったおおぶりのおいしい肉饅頭 (レシピ) 

ロシア料理
ユリヤ・ムリノ
 ロシア料理でもっとも人気のあるもののひとつがペリメニである。今日は「マントゥイ」と呼ばれるちょっと形が変わった肉汁たっぷりな大きな肉饅頭を作ってみよう。

 マントゥイは中央アジアやトルコ、韓国、中国の伝統料理である。生地の中に細かく刻んだ肉を詰めたものだが、国によってそれぞれ独自のマントゥイの作り方がある。ロシアでおなじみのレシピはタタールから来たもので、フィリングは、羊肉か牛肉、ジャガイモ、タマネギである。

 ロシア語の名称である「マントゥイ」という語は、トルコ語族の言葉から借用したもの。しかし、元々は、中国語で「詰め物をした頭」を意味する「マントウ」から来たものだ。

 マントゥイの味は使う肉によって決まる。ジューシーに作るなら、羊肉の脂肪分が多い部位がいい。牛肉を使うのなら柔らかい肉を選ぶ。肉の下ごしらえをするにもちょっとした秘訣がある。手早く作るなら、グラインダーを使って挽肉にするのだが、正しいやり方は包丁を使って細かい角切りにすることだ。

 うまくマントゥイを作るには、すべての材料を5ミリ以下に刻むといい。そうすれば、詰めやすくなるし、フィリングをむらなくつくることが出来る。

 おもしろいことに、マントゥイを食べる時は、手を使う。肉汁を出来るだけこぼさないためであるが、手で食べた方がおいしい。

 マントゥイはソースをつけずに食べるのが伝統だ。しかし、わたしは脂肪分が多いヨーグルトをつけて食べるのが好きだ。

 マントゥイのもう一つの特徴は、調理法にある。それは特別な蒸し器を使うというもの。しかし特別なものがなくても心配する必要はない。普通の蒸しかごと鍋があれば大丈夫。伝統的な作り方ではないものの、トマトソースで煮るという方法もある。

 肉饅頭が好きで、半日台所で家族そろって料理をする時間があるのなら、マントゥイがぴったりである。作っている間も楽しいし、出来上がりも間違いなく素晴らしいものになるだろう。

材料:

作り方:

1. 水と卵を生地用のアタッチメントをつけたフードプロセッサーにかけ、小麦粉と塩を少量ずつ加える。2種類の粉(たとえば00=ゼロゼロ小麦粉400gとセモリナ粉100g)を使うと、クラシカルなタイプよりも固めの生地になるが、生地を柔らかく仕上げたい場合は00小麦粉のみを使うとよい。均等な固さになるまで(約10分)混ぜる。丸くまとめて、ボウルに入れ、お皿で覆い、休ませる。この間にフィリングを作る。

2. 肉はできるだけ小さく切る(5㍉四方くらい)。小さければ小さいほどよい。

3. ジャガイモとタマネギも小さく刻む。小さければ小さいほど、火が通りやすい。

4. 香辛料で味を調える。

5. フィリングの材料をすべて混ぜ合わせ、生地を用意する間、おいておく。

6. 生地は4等分する。1つずつ取り出し、残りは覆っておく。

7. 生地をできるだけ薄くのばす。

8. 8㌢の正方形に切る。

9. それぞれの生地の中央にフィリングをのせる。

10. 4つの角をつまんで真ん中に持ち上げる。

11. 4つの角を合わせる。

12. 残りも同様に繰り返す。

13. 蒸し器の表面にオリーブオイルを塗る。マントゥイが底にくっつかないよう、小さい紙をそれぞれの下に敷いてもよい。蒸し器に水を入れ、マントゥイを並べ、鍋に蓋をする。風味づけにローリエの葉を入れてもよい。30分ほど蒸す。蒸し器に常に水が入っているか確認すること。

14. 出来上がったら、バターを塗る。

15. トマトソースで作ってもおいしい(トマト缶、ニンニク、タマネギ、香辛料、塩、オリーブオイルで作る)。ただし、地元の正しい食べ方ではないので、誰にも言わないように。

16. お好きなソースをかけて召し上がれ! 

「ロシア・ビヨンド」がLineで登場!是非ご購読ください!