ロシアのおばあちゃんたちは、家族が大勢集まったときにも、少ない食材で料理を作る方法を知っている。子供の頃、土曜の朝に両親と郊外のおばあちゃんの家に出かけてオーブンで焼いた、できたての柔らかいシャンギをお腹いっぱい食べるのを待ちきれなかった。それを大人になって自分で焼く日が来るとは思いもしなかったが、今ではレシピと食材、料理の腕が手元に備わった。
シャンギもしくは(親しみを込めて)シャネシキと呼ばれるこの料理は、もともとはロシア北方からもたらされた伝統的な料理で、それがカレリア地方にやって来て、17世紀以降に西シベリアの各地にまで広まった。現在、北ロシア、ウラル地方ではよく知られているが、西ロシアや中央ロシアではそれほどではない。
お馴染みのロシアの伝統料理ピロシキとは違って、このシャンギは大きさが違う。シャンギは直径12-15㌢ほどのものから、ロシアの伝統的オーブンで焼く30㌢くらいまでのものまである。
元来、シャンガは丸いバンの中にフィリングを贅沢に詰めたもので、生地は酸味のあるイースト生地で作られるが、フィリングはあっさりしている。フィリングには何を使っても良いのだが、ジャガイモを使うことが多い。ここで紹介するレシピでは、変化をつけるためにマッシュルームを加えている。説明はこのくらいにして、とにかくおいしいパイをさっそく作ってみることにしよう。
材料:
生地:
- 牛乳 250ml
- ドライイースト 11g
- 砂糖 大さじ1
- 塩 大さじ1/2
- サワークリーム 大さじ2
- バター(溶かしたもの) 50ml
- 小麦粉 450g
フィリング:
- バター 100g
- ジャガイモ 500g
- マッシュルーム 500g
- ディル、パセリ 少量(お好みで)
- タマネギ 1個
- 塩 少々
- スパイス 少々Onion - 1 piece
- 卵 2個
アイシング:
- 卵 1個
- サワークリーム 大さじ1
作り方:
1. 生地を作る。牛乳を少し温め、砂糖を加える。イーストを加え、木製のスプーンで混ぜる。
2. サワークリーム、塩、溶かしたバターを加え、よく混ぜたら、小麦粉を3回に分けて加える。3回目の小麦粉を投入する際に、生地の硬さに注意し、足りなければ少し多めに、多ければ少し少なめに調整する。なめらかになっていれば、それほど気にしなくてもよい。
3. 写真のように生地をまるくまとめる。ボウルをふきんで覆い、暖かい場所に40分ほど置き、膨らませる。
4. 生地を休ませている間に、フィリングを作る。
5. ジャガイモは皮をむき、鍋に入れ、水を注いで、塩を加える。沸騰してから20分ほど、ジャガイモが中まで柔らかくなるまで茹でる。水を捨てて、マッシュポテトにする。バターと卵1個を加え、よく混ぜる。
6. マッシュルームとタマネギを刻み、中火で炒め、スパイスで味を整える。炒めたマッシュルームとタマネギをマッシュポテトに加え、お好みでディルとパセリを入れる。フィリングはこれで完成。
7. 生地を15等分したら、作業台に打ち粉をする。それぞれの生地を直径12〜15㌢くらいに丸める。生地の上にフィリングを適量乗せ、写真のようなオープンパイの形に(あるいはお好きな形に)形成する。
8. すべて終えたら、ベーキングペーパーを天板に敷く。
9. 卵1個にサワークリームを加え、パイの上にたっぷり塗る。
10. 180℃のオーブンで15分から20分焼く。
11. 焼きあがったらオーブンから取り出し、お皿に並べ、ふきんをかけ、粗熱を取る。その間に熱い紅茶かホットミルクを用意し、どうぞ召し上がれ!