もっともロシアらしい町、スーズダリの伝統料理5選(レシピ)

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 次に紹介するケーキ、サラダ、スープは、「ロシアのガストロノミック・マップ」プロジェクトで、ウラジーミル州の最高の料理に選ばれたものである。美しくてロシアらしい町として知られるスーズダリ(そして隣接するウラジーミル)の料理をめぐる旅へどうぞ。

 古都スーズダリとウラジーミルは現在、「黄金の輪」と呼ばれる観光ルートの中でも、メインの町となっている。多くのロシア正教の教会や木造の家々が保存されているこの町には、地域独特の伝統的な料理が保存されている。「ロシアのガストロノミック・マップ」プロジェクトが、この地域の最高の料理を発表した。古都に住む人々はどんな料理を食べ、どんな料理で客をもてなすのだろうか?

1. トボルカ・チーズケーキ

 トボルカというのは甘いフィリングあるいはおかず系のフィリングが入った菓子パンである。トボルカは旅行用カバンという意味で、まさにこのチーズケーキはどこかに持参するために作られた。トボルカケーキは地域によって異なるタイプのものがある。たとえば、ペルミの人々は魚を入れ、ヴォログダの人々はキノコや雑穀を煮たものを入れ、カレリアの人々はカッテージチーズを入れてそれぞれ作る。ウラジーミル州のトボルカは無発酵の生地のケーキにトヴォーログ(ロシアのカッテージチーズ)のフィリングを入れた大きなもの。トヴォロージニクと呼ばれるケーキ(レシピ)あるいは大きなヴァトルーシカ(レシピ)に似ている。

レシピ:

生地の材料:

  • 小麦粉 350g
  • バター 90g
  • 砂糖 大さじ1
  • 卵 1個
  • 全脂肪牛乳 ⅓カップ
  • サワークリーム 30g
  • 塩 適宜
  • ベーキングソーダ  適宜

フィリングの材料:

  • カッテージチーズ 500g
  • 砂糖 ½カップ(好みで調整)
  • 卵 3個
  • ベーキングソーダ 適宜

 作り方生地は、牛乳、サワークリーム、卵、砂糖、塩に溶かしたバターを加えて混ぜ、小麦粉とベーキングソーダを加える。すべてが均等に混ざったら、半時間休ませ、焼型に入れる。

 フィリングは、卵と砂糖を混ぜたものにトヴォーログを加え、よく混ぜる(ブレンダーを使うとよい)。フィリングを型に広げ、190℃で40分焼く。

スーズダリのどこで食べられるか?

 現代のシェフたちが、この地域の伝統的なケーキを、現代風にアレンジして作っている。レストラン「オグレツ」(キュウリの意!)で出されるケーキは緑色をしていて、キュウリのシロップをかけていただく。ボグダルニャ・レストラン(英国のジョン・コピスキー氏が開店)では地元の乳製品を使ったよりクリーミーなケーキが食べられる。

2. そばの実チップス

 昔からあるこのスナックは、とても健康的で、映画やテレビ番組を見るときに何かパリパリと食べたい人にお手軽なものだ。ロシア人がグレーチカ(蕎麦)を好きなのは有名で、彼らは1日中食べるのも厭わない。スーズダリやウラジーミルではこの「チップス」はレストランでも出されるし、お土産屋でも売られているが、家でも作ることが出来る。

レシピ:

材料:

  • そばの実 ½ カップ
  • 水 2 カップ
  • 塩(お好みでその他のスパイス) 

 作り方そばの実のチップスを作るには、そばの実1に対し、水4の割合にして、ブレンダーにかけ、天板に並べ、60℃から80℃のオーブンに入れ、対流モードで(もしあれば)3時間ほど乾燥させる。乾燥したら、食べやすい大きさに割れば出来上がり。映画を見ながらどうぞ!

スーズダリのどこで食べられるか?

 ディップをつけて食べるクラシカルなそばの実のチップスはゴスチヌィ・ドヴォールとオグレッツ・レストランでも食べることができる。 

3. 「凍ったシチー(キャベツのスープ)」

 ロシア人にとって昔から冬に備えることは大事だった。黄金の環地方では、今でもこの凍ったキャベツスープを作りつがれており、これはシチーを作りおきする伝統的な方法のひとつである。基本的にはスープを屋外において凍らす(冷凍室に入れて凍らせてもよい)。凍らすことによってキャベツがより柔らかになるのだとか。また、野菜だけをあらかじめ凍らせておいて、料理の際、作りたてのブロスに加えるという方法もある。ロシアには実際何千種類ものシチーの作り方があって、地方や個人的な好みによって違う。ここでは、発酵させたキャベツを使うレシピを紹介する。

レシピ: 

材料:

  • 肉ブロス 1l
  • ボイル肉(好みの肉) 200g
  • 発酵させたキャベツ 1/2kg
  • ジャガイモ(大)1個
  • ニンジン 1本
  • タマネギ 1個
  • 塩 適宜
  • 胡椒 (お好みで)

 作り方:ジャガイモとキャベツをスライスしてブロスに加え、さらにニンジンとタマネギを炒めて加える。それから肉とスパイスを入れる。ジャガイモが火が通るまで弱火にかけ(オーブンに入れた方がよい)、数時間寝かせる。これをひと晩凍らせて、翌日温めて食べる。

スーズダリとウラジーミルのどこで食べられるか?

 このスープはスーズダリのカフェ、「グネズド・ペカリャ」(パン屋の巣の意)の定番メニューとなっている。 ウラジーミルのレストラン「オコリツア」(周辺の意)ではオーブンで調理されたもう一つの美味しいキャベツスープ、「灰色のシチー」を楽しむことが出来る。

4. オーブンで焼くホロジェッツ(煮こごり)

 煮こごりは多くの外国人を戸惑わせる一品である。興味を持ってトライする人もいるが、どうしてこのようなものを食べるのか理解に苦しむ人もいるのが事実だ。しかし、昔から伝わるゼラチンを使わない調理方法で作れば、ホロジェツはコラーゲン豊富なとても健康的な料理である。スラヴに伝わる伝統的な調理方法では古代のオーブンを使うが、今は調理コンロで十分だ。ホロジェツはホースラディッシュと食べるのが一般的だ。そしてウラジーミルの人は自分たちの町を最もからいホースラディッシュが採れる町だと誇りを持って呼んでいる。

作り方: 

材料:

  • 肉(出来れば豚か牛の骨付き膝関節肉)2.5キロ
  • ニンジン 1本
  • タマネギ 1個
  • ローリエ 1枚
  • 塩 適宜
  • コショウ 適宜

 作り方:肉を5リットルの鍋に水とともに入れて煮る。そして肉汁を取り出し、新たに水を加えて(肉より3-4センチ高いところまで)泡を取り除きながら再び煮る。火が通ったら、さらにとろ火で4時間煮る(そう、長い時間だ!)もしくは180度に熱したオーブンに同じ時間入れる。塩、胡椒、玉ねぎ、スライスしたニンジンを加え、さらに1時間煮る。そして肉を骨からはずして、ボウルに入れ透明なブロスを注いで、ひと晩置く。

スーズダリとウラジーミルのどこで食べられるか?

 レストラン「オコリツア」では、(地元の職人が製作した)本物のロシア式オーブンで調理された牛のホロジェツが出される。野鳥と野生のハーブを使ったホロジェツを食べることが出来るのは「ウレイ」(蜂の巣の意)レストランだ。

5. ポクロフのジンジャーブレッド

 ウラジーミル近くの小さな町ポクロフは煮練乳とナッツを使ったびっくりするようなジンジャーブレッドで有名だ。これを作っているポクロフの工場は詳しい製造法は企業秘密だとしているが、同じように美味しいジンジャーブレッドの作り方を紹介しよう。

作り方: 

生地の材料:

  • 砂糖 小さじ3杯
  • バター 1/2カップ
  • 卵 2個
  • 蜂蜜 小さじ3杯
  • ココア 小さじ1杯
  • 小麦粉 2カップ
  • ひまわり油 小さじ1杯
  • おろし生姜 小さじ1杯
  • ナツメグ 小さじ1/2杯
  • クローブ 1つ
  • ベーキングソーダ 適宜 

フィリングの材料:

  • 練乳 1缶
  • くるみ 1/5カップ
  • ドライフルーツ (お好みで)

 作り方:卵、砂糖、バター、ココア、スパイス、蜂蜜、ベーキングソーダを合わせて混ぜ合わせ、10分間蒸す。そこに小麦粉と油を加えて生地を作る。ひと晩置く。生地を2つに分け、クッキングシートに薄く(厚さ3ミリほど)延ばす。フィリングを生地にひろげ、もう1枚の生地で覆う。170-180度に予熱したオーブンで25分焼く。温かいジンジャーブレッドにシロップ(水小さじ2杯+砂糖小さじ2杯を1分間火にかけて、白くなるまでブレンダーでかき混ぜる)をかけるか、シュガーパウダーをまぶす。 

ウラジーミルのどこで食べられるか?

 ポクロフの中心部にカフェとショップが併設されたジンジャーブレッドの主工場があるが、スーズダリとウラジーミルのどのお土産屋にも置いてある。

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