アプリコットの「焼き」ヴァレーニエ: 鍋を使ってロシア伝統のジャムを作る(レシピ)

Victoria Drey
 スラヴ人に昔から伝わる美味しいデザートの現代的な調理法をマスターしよう!

 ヴァレニーエは古代ルーシの時代から愛されて来たロシアの甘味料理を象徴するものだ。ジャムの一種であるヴァレーニエは、果物やベリーをトッピングや詰め物、甘味料として使うが、その食感はさまざまである。果物をつぶさないような作り方をすれば、濃厚なシロップに浸された果物のすばらしい食感が得られる。

 ヴァレーニエの作り方はいくつかあるが―それぞれ違うタイプの出来上がりになるのが楽しい。

 

1. ヴァレーニエの伝統的な作り方

 少々時間がかかる作り方。果物を多量の砂糖と混ぜ合わせ、少なくともひと晩置いておく必要がある。この砂糖漬けした果物を鍋で煮たあと完全に冷ます―この作業を8-10時間おきに3-4回繰り返す。この作り方で、果物が最高に柔く、シロップも透明なヴァレーニエが作れる。

*自分で作れるロシアのジャムについては、こちらの記事もどうぞ。 

 

2. 5分で作れるヴァレーニエ

 もう一つは、「5分ヴァレーニエ」と呼ばれる作り方。その名前の通り、一番早くて簡単に出来、特にベリーのヴァレーニエ作りには便利である。ベリーを砂糖と一緒に5-7分間調理し、瓶詰するだけである。伝統的な作り方と比べれば、シロップと味の濃厚さは少々物足りないが、それでもヨーグルト、お粥や他のデザートと一緒に食べればとても美味しい。

*ラズベリーのヴァレーニエについては、こちらの記事もどうぞ

 

3.「生」ヴァレーニエ

 火を使わずにヴァレーニエをつくる方法。ベリーや果物をすりこぎ、肉挽き機、ブレンダーなどを使ってすり潰し、砂糖を加えて全体を混ぜ合わせ、菌が入らないように密閉容器で保存する。この作り方だとヴァレーニエは濃厚にはならないが、なにかのトッピングに使ったり、フルーツティーやベリーティーのベースにするにとても良い。

 

4.「焼き」ヴァレーニエ

 ヴァレーニエの元来の作り方のひとつが鍋を使うやり方だ。これは「焼き」ヴァレーニエとよばれ、文字通り果物やベリーを砂糖と一緒に鍋で調理する。時間がかかる伝統的な作り方と5分ヴァレーニエの中間にある絶好な調理法だと考えられる。少ない時間で完ぺきな出来上がりが期待できるのである。この作り方は、季節の果物やベリーならどれにも合う汎用性がある。わたしの好みはアプリコットで、最高に香りがよく、味も豊かなヴァレーニエが出来る。

 

鍋で作るアプリコットのヴァレーニエのレシピ

材料(小瓶3本分) 

  • アプリコット 500g
  • 砂糖 250g

 

作り方:

1. 良く熟れた、柔らかすぎないアプリコットを選んだら、やさしく洗って乾かし、2つに分け、タネを取り除く。 

2. 厚底で高さのある大きめの片手鍋を用意したら、アプリコットの半量を広げ、上から砂糖をかける。

 

3. 木のスプーンで、アプリコットと砂糖を混ぜ、中火にかける。強火にすると、柔らかいヴァレーニエではなく、固い飴のようになるので注意すること。軽く沸騰してきたら、アプリコットから水分が出てきて、砂糖が溶け始める。ときどき、そっと混ぜること。

4. 砂糖が完全に溶けたら、7分から10分ほど沸騰させて、火から下す。 

5. ヴァレーニエを瓶に移す前に、瓶が滅菌されているか確認する。まず瓶を水と少量のベーキングソーダできれいに洗い、大さじ2~4杯の水をそれぞれの瓶に入れて、最大ワットで2分温める。水を捨て、瓶をペーパータオルの上に逆さまにして、乾くまで置いておく。

 

6. 蓋は、カップ1の水を入れた鍋で数分煮る。

7. 瓶の準備ができたら、ヴァレーニエをそっと注ぎ入れ、しっかりと蓋をして、完全に冷めるまで室温で置いておく。これでロシアの夏を1年中楽しむことができる。

 プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)

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