よく知られている伝説によれば、古代近東のペルシャのスルタンに仕えていた召使いがこのクラビイェのレシピを考案した。そこで「クラビイェ」という名も、おそらくトルコ語かアラビア語で「異国風のクッキー」を意味する語から来たとされている。クラビイェにはいくつもの形があるが、花の形をしたものがもっとも典型的だ。伝統的な東方のクラビイェはおもてなし用の高価な菓子で、シナモン、クローブ、天然バニラ、サフランなでのスパイスが多く使われている。ソ連では製造コストを下げるために、高価な材料は使わず、より安価なバニラシュガーを加えることによって、深い味わいを出している。このお菓子は大変人気が出たので、国家標準レシピ―GOSTが制定され、「バクー・クラビイェ」という名が付けられた。材料とお菓子の形がアゼルバイジャンの伝統的なレシピに近かったからだ。
今日、クラビイェはロシア中の多くのパン屋に置かれ、文字通りすべての食料品店で売られている。さらに、多くの人は家庭でも作っており、実際にもっとも手軽に作ることができるお菓子の1つである。ショートクラストはいくつかの基本的な材料があれば作ることができ、フィリングには果物やベリーを使う。
1. 大きなボウルに室温で柔らかくしたバターとバニラシュガーまたはバニラエッセンス、塩少々を入れ、ハンドミキサーまたはスタンドミキサーでなめらかになるまで混ぜる。
2. 卵白を加え、高速で3分から5分混ぜ、十分にふわっとさせる。
3. ふるった小麦粉とベーキングパウダーを加え、ショートクラスト生地のようになるまでこねる。打ち延ばせるような状態にする。絞り袋に入れて使うので硬すぎないこと。硬すぎると感じたら、牛乳大さじ1を加え、なめらかになるまで混ぜる。
4. 生地を絞り袋に入れ、星か花の形の口金をつけ、パーチメント紙を敷いた天板に絞り出していく。真ん中に指でくぼみを作る。
5. 濃厚なジャム、キャラメル、ドゥルセ・デ・レチェをくぼみに入れる。ここではアプリコットジャムを使う。絞り袋にフィリングを入れ、くぼみの半分まで入れる。残り半分は焼きあがってから入れる。
6. 220℃のオーブンで10分から12分焼く。乾燥しすぎないように注意し、クッキーの端がきつね色になってきたら取り出す。
7. まだ熱いうちにくぼみに残りのジャムを入れ、完全に冷ましてからいただく。プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)
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