元来キセーリはオーツ麦のフレークでつくられるおかず系のメインディッシュであった。発酵することにより、少し酸味がある。固めに出来上がるのでナイフで切って食べる。伝統的なキセーリはプディングの一種のように見え、メインディッシュの肉ともマッシュルームソースともよく合う。しかし今はこのようなキセーリの食べ方を知っている人はほとんどいない。
現代のロシア料理では、キセーリとは多くの場合、ベリーで作る甘い飲み物を指す。小麦粉かスターチをベースにするのでどろどろした液状である。そのどろっとした食感は極めて独特で、これを苦手だという子どももいる。ソ連時代、キセーリが本当にどこででも出されたときには、それを実感したものだ。しかし、これを好きでないなんておかしいと思う。わたしはこの新鮮なベリーとクリームの味が好きだった。
そしてわたしは、この伝統的な料理を子どもにも食べさせるための方法をなんとか考え出した。これをパンケーキ、ワッフルやアイスクリームにかけることにしたである。砂糖を少なくして代わりにシロップやジャムを使い、ベリーの風味を残す。しかもこうすることにより、どんなデザートもジューシーにすることができる。というわけで、ラズベリー・キセーリの作り方を紹介しよう。
1. ベリー、水450mlを鍋に入れ、沸騰させる。砂糖を加えて、さらに5分沸騰させる。これでコンポートができる。
2. コンポートからベリーを取り出す。
3. 50mlの水にコーンスターチを溶かし、泡立て器を使って、完全に溶けるまで混ぜる。
4. ゆっくりとコーンスターチ液をコンポートに加えていく。この間、泡立て器でかき混ぜ続けること。ふたたび沸騰させる。
5. キセーリはかき混ぜ続け、とろみがついたら火からおろす。
6. キセーリは温かいうちは液体だが、冷えると固まってくる。
7. 温かいうちにデザートのソースとして使う。
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