シティ・ローフの歴史はソ連時代から始まったと信じる人は多い。しかし、この種の小さなパンは、帝国時代にはすでによく知られていたようだ。当時は「フランス・パン」と呼ばれ、フランスの伝統的なレシピで焼かれていた。その後、ソ連時代の製パン技術によって、作り方は少し変化し、名前も「シティ・ローフ」と改められた。そして、GOST(国家標準規格)―つまりロシアのパン製造者が現在に至るまで従っている国家が定めた標準レシピを発展させたのである。この2種類のレシピの違いは、フランス式レシピで使われる発酵種の代わりに、ロシア式では、ドライイーストと「オパラ」というロシア伝統の前発酵技術を用いる。この方法によって、より簡単により短い時間でパンを焼くことが出来る。
幼い頃、バターをたっぷり塗って砂糖をまぶした薄切りのシティ・ローフは毎日の朝食に欠かせないものだった。今でも大好きだ。しかし、最近はなかなか眼にすることがなくなったため、家庭で焼いて食べるのが一番良い方法である。
(+前発酵生地)
1. 前発酵生地を作る。大きめのボウルにドライイーストとぬるま湯(30℃くらい)を混ぜ、小麦粉を加えて数分こねる。どっしりしていて、かつなめらかな状態にする。
2. できた生地をボウルの底に広げ、ラップでフタをし、ふきんを被せ、暖かい場所で2時間ほど休ませる。大きく膨らんでから少し縮み始めたら出来上がり。
3. 生地を作る。砂糖と塩をぬるま湯で溶かし、前発酵生地に加える。さらに小麦粉と室温に戻して柔らかくしたバターを加え、生地が滑らかになり、手につかなくなるまで7分から10分こねる。
4. 生地を丸め、薄く油を塗ったボウルに入れる。
5. ラップをし、ふきんをかけたら、室温で1時間半ほど置き、膨らませる。
6. 大きさが倍に膨らんだら、作業台に置き、拳で押して生地の中の空気を抜き、3等分する。それぞれを丸め、ラップで包んで10分ほど休ませる。
7. シティ・ローフ独特の形にするため、まず1つの塊を厚さ1センチにのばす。それから画像にあるように層にする。
8. 層状の生地1個を半分に折り、閉じたら、少し縁を尖らせた柔らかい楕円形にまとめる。
9. すべての生地を同様に成形したら、パーチメント紙を敷いた天板に並べる。十分に間隔を開けるようにする。ラップをして、室温で45分休ませる。
10. パンの片面に、ナイフで縦に線を入れる。鋭利なナイフかパンスライサーを使う。
11. パンはスチームを使って焼くため、下段に空の天板を入れて、220℃に予熱する。220℃になれば、中段にパンを並べた天板を入れ、下段の天板に1カップのお湯をゆっくり注ぎ、すぐにドアを閉める。
15分から20分焼く(オーブンによる)。表面がきつね色になり、中が完全に焼けていれば、オーブンから取り出す。完全に冷まし、スライスする。
プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)
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