1. 船曳きの朝食
窓から見える景色を楽しみながら朝食をとるのは心地よいものだ。そしてそれが、赤の広場とモスクワのクレムリンの美しい景色を堪能できるレストラン「ベルーガ」の窓であれば、なおさらである。
レストランは5つ星ホテル「ナツィオナーリ」の2階にある。このレストランでもっとも高級なメニューとなっているのが、4~6人用の「船曳きの朝食」である。その内容はというと、1キロのキャビアと10種類のロシアの伝統的な前菜から成っている。前菜は、オラーディシキ(パンケーキ)、チョウザメのラスチェガイ(パイ)、キュウリの塩漬けピクルス、うずら卵、キビナゴの自家製マリネ、新ジャガの澄ましバターとディル添え、ヤマドリタケのマリネ、クリーム風味のストラチャテッラのポテトヌードル入りなどである。朝食にはウォトカ「ベルーガノーブル」またはシャンパン、ヴーヴ・クリコ、キュヴェ・セント・ピーターズバーグが出される。
クレムリンを眺めながらの朝食の料金は40000ルーブル(およそ55000円)。
2. 仔豚のかまど焼き
レストラン「Ruski」ではグループ客に、粗塩と挽きたてのコショウに漬け込んだ5キロの仔豚が振舞われる。レストランはモスクワ・シティのOKOタワーの85階に位置しており、窓からは息の呑むような景色が広がっている。仔豚はかまどに入れられ、中の柔らかさを保ちながら、黄金色になるまで焼かれたあと、ハーブと蒸しリンゴのクリーム、そして新鮮な西洋ワサビを添えて出される。この仔豚の丸焼きのお値段は15730ルーブル(およそ22000円)。
3. キャビア入りブリヌィ(パンケーキ)の試食
モスクワの中心部に位置し、すでに20年以上にわたってモスクワの名所の一つとなっているカフェ「プーシキン」では、14200ルーブル(およそ196000円)で、ロシア風パンケーキに種類の違うキャビアを乗せて試食することができる。
運ばれてくるのは小麦粉のブリヌィ(パンケーキ)が2皿に4種のキャビア(サーモン、チョウザメ、オオチョウザメ、モトコクチマス)、そしてサワークリーム。カフェの中にある「図書室」、「暖炉の部屋」、「屋根裏部屋」、「薬局の部屋」のいずれかでこのメニューを食べれば、プーシキン時代の貴族になった気分が楽しめること間違いない。いずれの部屋も古い作りになっており、タイプライターや時計、顕微鏡、望遠鏡などのアンティークの家具や小物、それに18世紀から20世紀の古書が置かれている。
4. ストロガニナとキャビアとキノコとワラビサラダのプレート
レストラン「エクスペディーツィア」では北極探検隊の厳しい世界に浸ることができる。店内の真ん中におかれたヘリコプター、下に川が流れる“氷の”フロア、温めてくれる焚き火。そんな雰囲気のこのレストランにぴったりな料理は旅行者の食べ物が詰められたメニューではないだろうか。「(フリチョフ)・ナンセンの栞」は4人用で、3種のストロガニナ(ホタテ、ムクスン、トナカイ)、4種のキャビア(北海マス、ベニザケ、ムクスン、ノーザンパイク)にヤマドリタケのマリネ、極北地方の魚と肉の珍味、コケモモの砂糖漬け、ワラビのサラダ、浸酒が含まれている。極地のグルメが詰まったこのメニューのお値段は13900ルーブル(およそ19000円)となっている。
5. フレッシュなイチゴのピローグ
ベリーのピローグが1年中食べられることに驚く人はもういない。しかし昨日まだ畑にあったというほど新鮮なベリーを使ったピローグはそれほどない。まさにそんなピローグを出しているのが、レストランチェーン「スィロヴァールニャ」。中でももっとも面白い店舗の一つが、救世主キリスト聖堂のそばにある「クラースナヤ・オクチャブリ」の中にあるもの。ピローグはショートクラスト生地にアーモンド粉を加えて作られており、その上にカッテージチーズの層が置かれ、新鮮で香り豊かなイチゴが飾られている。このピローグは季節を問わず1年中いつでもオーダーすることができる。大きさ300グラムの「森の」ピローグは1切れ1900ルーブル(およそ2600円)で堪能できる。