私は、シーバックソーンはシベリアを起源としていると言われていたので、典型的なロシアのベリーだと思ってきた。実際シベリアは、中国北部やモンゴルと同様、シーバックソーンが最初に発見された場所の一つである。ロシア人の中には、この果物を「シベリアのパイナップル」と呼ぶ人もいる。特徴的な味や香りがトロピカルフルーツに似ているからだ。しかし長い間、シーバックソーンは医療用にだけ用いられており、現在のように食用の価値があるとは思ってもいなかった。
私の祖母も子供の頃はシーバックソーンの素晴らしさを知らず、そもそも美味しいベリーであるなど聞いたこともなかった。むしろ、ヒーリングオイルとして使っていた様だ。1980年代、女性は全ての病気を治してくれる治療用としてシーバックソーン狩りをしていた。当時あまり多くの薬局では売っていなかったし、高価だったからだ。さらに、特別な処方箋を持っている人間しか手に入れることが出来なかった。シーバックソーンはオイルブームの後、料理で使われるようになるのである。
なぜか、シーバックソーンはソ連ではあまり広く収穫されていなかった。これが、ロシア料理のレシピの中で、シーバックソーンを使ったものが多くない理由だ。最も一般的で伝統的なシーバックソーンのレシピはヴァレニエ、いわゆるジャムや、モルス、つまり濃厚なベリージュースだ。私はシーバックソーンが大好物なので、デザートやソース、お菓子を作るときによく使う。りんごとシーバックソーンのパイは秋の最も美味しいパイに違いない!旬のりんごとシーバックソーンのピリッとした酸味が柔らかいふわふわのケーキ生地によく合い、驚くほど美味く香ばしいケーキが出来上がる。
1. 生地を作る。最初に卵に砂糖と塩ひとつまみを加え3分間泡立てる。ミキサーを使うと、より生地が滑らかでふんわりとする。もちろん手で泡立てても問題ない。
2. 全ての砂糖が溶けて生地が白っぽくなるまでかき混ぜる。次に油を入れて更に混ぜる。油はどの種類でも問題ない。私はヒマワリ油とオリーブ油を混ぜて使う。
3. ベーキングパウダーとシナモンパウダーを混ぜた小麦粉をふるい入れ、生地が滑らかになるまでかき混ぜる。生地がふっくらとするはずだ。
4. 次に、シーバックソーンを生地に混ぜ込む。半分のシーバックソーンを慎重に生地に混ぜ込み、残りの半分は装飾用に取っておく。凍ったシーバックソーンを使う場合は(私もそうしているが)生地に入れる前に解凍し水気を切っておく。型に予めクッキングシートを敷いておくか、または、バターと小麦粉をまぶしておき、生地を型に移す。
5. りんごを準備する。皮をむいて芯を抜き、リンゴを大きさに合わせて三等分又は四等分にする。各ピースの上部に切り込みを入れ、生地の上に並べ、そっと押して生地に沈める。甘い生地ととてもよく合うので、酸味のあるりんごを使うことをお勧めする。
6. 残りのシーバックソーンと一握りの砂糖を振りかけて、180度のオーブンで約40分焼く。表面が黄金色になり中まで確りと焼こう。パイが室温に戻るまで冷ました後に、型から外す。
7. 軽く粉砂糖をかけ、絶品シーバックソーンケーキを温かいうちに、又は冷やしてから頂こう。プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)
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