ルバーブのパスチラ:この茎をもっともロシア風に調理する方法

ロシア料理
ヴィクトリア・ドレイ
中世のロシア人のようにルバーブを焼こう:酸味のあるドライ・ピュレーは新しいスイーツになるかもしれない。

 ルバーブといえば、ロシア料理以外のすべての料理に使われているというイメージがある。毎年、夏になると、わたしがインスタグラムでフォローしている多くのイギリス人やアメリカ人のシェフは、パイやクランブルやタルトなど、よだれが出そうなルバーブを使った何十種類もの料理の写真を投稿する。わたしの家庭ではこれまで料理にルバーブを使ったことはないし、庭で育てたりすることもなかった。またルバーブを料理に使おうと思っても、ロシアでは店に置いていないことが多い。

 そんなわけで、古いロシアの料理本でルバーブを使ったレシピをたくさん見つけたときには大いに驚いた。そこには、ルバーブの茎の蜂蜜焼きや、濃厚なルバーブボルシチまで載っていたのである。

 残念ながら、現在、新鮮なルバーブは、家庭菜園か限られた店でしか手に入らない。しかし、それでもルバーブを自分で育てて、ヴァレーニエやジャムにして冬に向けて保存したり、その他の伝統的なレシピで調理する食通も多い。さて今年わたしはこれまでにないほど大量の緑のルバーブを収穫したので、今まで作ったことのない伝統的なロシアのスイーツであるフルーツのパスチラもしくはレヴァシを作ってみることにした。これは、冷蔵庫で何か月も保存することができる乾燥したフルーツピュレーである。中世の時代から良く知られているこの甘い健康的なお菓子は、今でも人気があり、嬉しいことにあらゆる季節のフルーツやベリー、そして野菜を使ってでも作ることができる。それならルバーブを使って作らない手はないだろう。先に言ってしまうと、このルバーブのパスチラはこれまで作ったものの中でもっともユニークでもっともおいしく出来上がったのだった。

材料:

作り方:

  1. ルバーブはきれいに洗い、上下の部分をカットし、必要であればピーラーで皮をむく。そのあと、すべてを1~2㌢にカットする。大きめの片手鍋に入れ、砂糖を加え、味に深みを出すためお好みでシナモンとナツメグを適宜入れる。砂糖の量は好みに応じて、加減する。個人的にはちょうどよい甘みと酸味になる割合であるルバーブと砂糖を1:1にするようお勧めする。
  2. ルバーブの入った鍋を中火にかける。お湯100mlを加え、茎が柔らかくなり、ピュレー状に近くなるまで煮る。普通は15分から25分。
  3. 火から下ろし、なめらかになるまでハンドブレンダーにかける。筋がなく、なめらかなピュレーになったら、少し冷ます。
  4. その間に2枚の天板にパーチメント紙を敷く。ピュレーを二等分し、そっと天板に流しいれる。スパチュラを使って3~5㍉の厚さになるように広げる。ここからはパスチラの作り方には2種類ある。一つはオーブンを使わずにそのまま乾燥させるという方法。この方法で作る場合は、夏のバルコニーや出窓など、暖かくて乾燥した風が入ってくる場所に置いておく。出来上がるまで3日間ほどかかり、必ずしもうまく行かないこともある。ということで、わたしはオーブンを使い、低い温度で乾燥させている。
  5. オーブンで乾燥させる場合は、100℃のオーブンで2~4時間焼く(厚みによって焼き時間は変わる)。パーチメント紙からパスチラが簡単に取れ、表面がしっかり乾燥していて、なおかつヒビが入っていない状態(ヒビが入っている場合は乾燥しすぎ)になれば出来上がり。端の方は完全に出来上がっているが、中はまだ柔らかすぎると感じた場合は、オーブンから取り出し、室内にそのまま数時間、置いておく。
  6. 広めの幅で細長く切り、ラップで包んで、冷蔵庫で保存する。
    プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)

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