フランセスコ・ヴォッチェは15歳のときに、ドイツで家族が経営するレストラン、ラ・ピアッツアで父親の手伝いを始めた。その後、バヴァリア地方の名だたるイタリアンレストランであるヴァルテリーナ、フェラーリ、タルツーフォ、ヴィラ・デステで修行を積んだ。
2002年にモスクワに来て以降、彼はアサッジャトーレ、ロベルト、ペペ・ネロといったレストランの厨房を任された。そしてこの3月より、ヴォッチェ氏はイタリアン・レストラン経営者、モーリツィオ・ピッツーチと手を組み、バルチュグ・グリル(バルチュグ・ケンピンスキー・ホテルにある)を本物のイタリアン・レストランにするという仕事に取り掛かった。ヴォッチェ氏は、ランチとディナーのメニュー、そしてアペタイザーからメインディッシュ、デザートに至るまでオリジナルのものに作り直した。ヴォッチェ氏にモスクワでの生活について触れてもらい、北イタリア風にアレンジしたペリメニの作り方を聞いた。
モスクワに来たのは、ガスプロム社のイベントで振る舞う料理をつくるために呼ばれたのが最初です。そのときは、4日間しか滞在しなかったのですが、もうここに住んで働き始めてから17年になります。ロシアの首都で働くのはとても楽しいです。
この間、モスクワは良い方向に大きく変わりました。2000年代は、イタリアンやフレンチの専門的なレストランしか成功しませんでした。今は、新しいロシア・グルメに合わせたレストランも現れて、競争となっています。モスクワも住みやすくなって来ました。歩くのが好きなので、公園を散歩したり、博物館、美術館、新しく出来た名所、レストラン、フードコートなどに出かけます。モスクワを訪れる友人たちは、これまでのロシアのステレオタイプなイメージはもはやまったく見ることができないと熱く語ります。実際に、街は清潔で安全になったし、独特の雰囲気も残しながら、どんどん元気よくダイナミックに開発されています。これからもっと多くの観光客がやってきて、モスクワのすばらしさを実感するでしょう。
わたしはロシア料理に心から尊敬していて、近代的なロシア料理がとりわけロシア人の間でますます人気になっているのを見て嬉しく思っています。ロシアは、その料理の伝統、そしてロシア料理の希望の星たちを誇りにしてよいと思います。
同時にわたしはもっともクラシカルな料理も大好きで、とくにパイやロールキャベツ、ダンプリング、そしてもちろんホームメイドのボルシチが好きです。インスピレーションを感じたときには、喜んで、ロシア料理とイタリア料理の特徴をミックスさせた新しいレシピを作ります。今日はホームメイドのビーフペリメニ・ピエモンテ風トリュフソースがけの作り方をご紹介したいと思います。
1.生地を作る。ボウルに小麦粉を入れ、卵1個を割り入れたらかき混ぜて、植物油と塩を加えてさらに混ぜる。牛乳を注ぎ、よくこねて生地にしたら、丸めて、ラップをして、40–50分テーブルの上に置いておく。
2.具を作る。牛肉は挽き肉にし、タマネギは細かいみじん切りにする。塩・コショウを加えて、よく混ぜる。
3.生地を3等分したら、1–2ミリの厚さになるよう薄くのばし、直径7センチの丸型に型抜きする。それぞれの丸い生地に小さじ1の具を乗せたら、半分に折りたたみ、端をつまんで閉じ、両角を合わせてダンプリングにする。
4.鍋に水を入れて沸騰させ、塩を加えたら、ダンプリングを投入する。ダンプリングが浮いてきてからさらに5–6分茹でる。
1.生クリームとトリュフクリームを火にかける。
2.ペリメニにソースをかけ、薄くスライスした黒トリュフと泡ソースで飾る。
*インタビューをコーディネートするにあたりご尽力くださったバルチュグ・ケンピンスキーホテルに感謝の意を表します。
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