ジェレミー・ウルティーはかつてミシュランにも才能を認められたシェフ(ジョエル・ロブションとニコラス・マッシー)の下で働いていた。現在はモスクワで「ちょっぴりアジア風な」フランス料理を作り、ロシア語を習得しようとしている。
信じられないことに、モスクワにはフランス料理店の数はそれほど多くなく、特にオートキュイジーヌを出す店は少ない。値段が高い上に、ロシア人の味覚と違うからだ。その上、経済制裁のせいで必要な食材も手に入りにくい。それでも、ジェレミーはル・レストランで珍しい料理と幅広いワインのコレクションを出している。
彼が懐かしく思い返すのは、ウェイターとして父のレストランで働いていた時代のことと、夢を追いかけるために大学を辞めたことである。何年か師匠の元で修行を積んだ後、現在は自分の思い描いたフランス料理を作っている。
ジェレミーにモスクワでの仕事について、またソ連時代のサラダ「毛皮のコートを着たニシン」の彼のスペシャルバージョンの作り方を聞いた。
私がモスクワに来たのは、今はわたしのフィアンセであるロシア人女性とフランスで巡り合ったからです。モスクワに住もうと決めたとき料理学校時代の恩師のもとを訪ねました。誰かここで知っている人がいないかを尋ねたら、ル・レストランを紹介されたのです。
ル・レストランのインテリア
Press photoモスクワもここの人たちも大好きです。ロシア人はフランス人よりも情熱的でしかも正直です。ここでは友達ができれば、いつも手助けをしてくれます。どんなときでも頼りにできるのです。ロシアでは友達を持つということは家族を持つのと同じことです。ビジネス面でもロシアはチャンスがあるし、文化的にも数々のものを見ることができます。しかし、言語を学ぶということについては、特に時制は最悪だ。
新しいコンセプトのレストランを作ってみたいです。もっとダイナミックなものを。そして、街の真ん中でブラッスリーを開きたいと考えています。仕事がある限りモスクワにいるつもりです。
タラバガニ、イクラ、豆のアイスを加えたオリヴィエ・サラダ
Press photoロシアの食べ物では何が好きですか?好きなロシア料理はありますか?
「毛皮のコートを着たニシン」です。ロシアの料理は大体好きです。ただ、マヨネーズと一緒にものを焼くのは理解できませんね。それはやめてもらいたい。
材料:
ニンジンはアルミホイルに包んで焼く。それから皮をむき、その他の材料と一緒にブレンダーにかけ、冷凍庫に入れる。
卵を茹で、マヨネーズと合わせてブレンダーにかける。
テーブルビートは茹で、皮をむく。円筒の形をうまく使って小さく切り、フライパンで5分ほど軽く炒める。ポテトチップスを作るにはジャガイモを薄くスライスし、油で揚げる。ポテトコンフィを作るには、ジャガイモを鴨脂でオーブンで低温で焼く。そしてテーブルビート、ジャガイモ、ポテトチップス、マヨネーズムース、エシャロットをカオス的にお皿に盛り付ける。お皿の反対側にソルベをおき、ディルで飾ったら、どうぞ召し上がれ!
「毛皮のコートを着たニシン」のキャロットとホースラディッシュのソルベ添え
Press photoこの「外国人シェフがアレンジしたロシア料理」シリーズは、モスクワのもっとも優れた外国人シェフたちに食について話を伺い、家庭でも簡単に作れる彼らのオリジナルロシア料理レシピを紹介していただくものである。
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