「バトンチック」はロシアで最も歴史ある会社の一つであるロット・フロント社が製造している小さめのキャンディである。形は横長の幹のようななんの変哲もない形であるが、味は他のどのキャンディも及ばない。濃厚で少しカリッとした歯ごたえのクリーミーなピーナッツプラリネにココアが加えられており、食べると止まらない。「バトンチック」はロシアのお菓子業界の中で、売り上げと言う点では、トップランナーの一つであると言える。
横長の形のキャンディは、バトンヌィ(バー)と呼ばれて18世紀からロシアの菓子工場で製造されていた。普通のチョコレートバーと比較して小ぶりであったが、アメ玉よりは大きくかったので、この名前が付けられて、あらゆるバー状のお菓子はバトンヌィと呼ばれた。後になって、それよりもっと可愛らしくした「バトンチック」(小さなバー)と呼ばれるようになり、その名前が付いた菓子が誕生した。
記憶にある限り、「バトンチック」の包み紙はいつも同じで、この伝統的な赤と金茶の組み合わせのデザインを知らない者はいない。伝統を忠実に守っていると同時に、他の誰もこの色を使わないことは生産者にとってもメリットのあることである。
我が家でも、「バトンチック」は好きなお菓子トップ3に入る。全員がこのお菓子が好きであるが、中でも弟は「バトンチック」の大ファンで、子どもの頃からこのお菓子が大好きだったので、他の人に食べられないように隠していたものである。
一度、友人がベッドの脇に「バトンチック」をしまっていたのを弟が見つけたことがあった。そして弟はそれを手にするや否や、全部平らげてしまった。彼がいた部屋には赤と金色の包み紙がいたるところに散らかっていて、「バトンチック」は一つも残っていなかった。弟は友人に謝ったが、きっと彼の心はこの上なく幸せだっただろう。
材料:
- ピーナッツ 200g
- 小麦粉 200g
- 砂糖 150g
- 牛乳 150g
- 粉ミルク 50g
- ココアパウダー 22g
- ベーキングソーダ 2g
作り方:
1.ピーナッツを用意する。オーブンを160℃に熱し、30分焼く。
2.オーブンから取り出したら冷まし、皮をむいてブレンダーにかける。滑らかになるまで混ぜる。
3.牛乳は沸騰させ、火から下ろす。砂糖を加え、ピーナッツと一緒にブレンダーに入れる。滑らかになったら、ボウルに移す。
4.別のボウルに小麦粉、粉ミルク、ココアパウダー、ベーキングソーダを入れて混ぜ合わせる。
5.ゆっくりとスパチュラで混ぜながら、ピーナッツ入りの牛乳に加えていく。
6.生地がかたくなってきたら、台の上に移す。
7.残りの小麦粉をつけながら捏ね、ボール状にしていく。
8.ボールを等分し、それぞれを直径2.5センチくらいの棒状にし、長さ3センチほどに切っていく。
プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)