おばあちゃん特製「カッテージチーズのブリヌイ」でざんげ節の贅沢

ヴィクトリア・ドレイ撮影
 「ブリヌイ」という名で知られているロシアのパンケーキは、厳格な四旬節を迎える前の、いわゆる「パンケーキ週間」であるマースレニツァの間には絶対に欠かせないもの。試してみるべき最も本格的なレシピのひとつをご紹介しよう。

 ブリヌイは、ロシアではとても人気で広く知られているから、ここにご紹介するシンプルなレシピには、何も特別なことなんかないとお思いかもしれない。でも実のところ、具材や触感や風味の異なるパンケーキが、文字通り数十種類もある。薄いのやふんわりしたもの、甘いのやしょっぱいもの、プレーンなのやいろいろな具が入ったもの。イーストを使ったブリヌイは、いちばん手のかかるものかもしれないけど、同時に想像しうるパンケーキの中でもいちばんおいしい。さらに、間違いなく伝統的なロシアのブリヌイと呼ばれるのは、発酵生地で作ったパンケーキだけ。それはフライパンじゃなく、オーブンで焼き上げていた。

 私は普段はイーストを入れずにパンケーキを作るほうが好きだ――とても簡単だし、あっという間にできる。でも、祖母がいつも、いわゆる「酸味のあるブリヌイ」を作ってくれたことを覚えている――これは、「スポンジ」を使って作るとても分厚いパンケーキだった。 つまり、ブリヌイ用の生地を作る前に、スポンジというプレ発酵生地――生地を“活性化”させるための発酵物を用意するということ。ロシアの偉大なおばあちゃんは、かまどで鋳鉄のフライパンを使ってブリヌイを焼いていた――そうすると、ブリヌイは、すごくコクがあってふわふわで、表面がレースのように仕上がる。残念ながら、私はそんな素晴らしい料理を作れるような本格的なかまどを持つ幸運には恵まれなかった。でも、発酵バターで作った伝統的なブリヌイはいまも本当に大好き。普通のフライパンで、弱火~中火にすれば、そんなパンケーキを“焼き上げる”ことができる。

 今年のロシアのパンケーキ週間、マースレニツァは3月4日から3月10日まで。丸一週間、パンケーキ食べ放題で自分を癒してあげられるってこと。だったら、ここにご紹介するロシアの伝統的なレシピで作ったブリヌイでお祝いしてみない?

ブリヌイの材料:

  • 牛乳―500ml
  • 小麦粉―250-300g
  • 卵―2個
  • 生イースト―15g
  • バター―40g
  • 砂糖―大さじ2
  • 塩―小さじ1/2

具の材料:

  • カッテージチーズ、クオークチーズまたはカードチーズ―400g
  • サワークリーム―100g
  • バニラシュガーまたはエッセンス―小さじ1
  • 蜂蜜

作り方:

1.ブリヌイ生地用のプレ発酵生地、または、いわゆるスポンジから作ろう。清潔なボウルに牛乳を半量注ぎ、砂糖とイーストを加える。酵母が活性化してちゃんと働くように、牛乳は(約40℃)に温めておく。ちなみに、このとき、生イーストの代わりにドライイースト7gを使ってもいい。イーストが溶けてしまう前に、材料をすべてやさしく混ぜ合わせ、小麦粉を加え始める――まだかなり粘りが柔らかくなければいけないので、この時点では小麦粉大さじ3〜4のみを加える。

2.滑らかになるまで混ぜたらボウルにラップをかけ、大きさが倍に膨らむまで約1時間暖かい場所に置いておく。出来上がったプレ発酵生地は、かなり軽くてふわふわのはず。

3.次にブリヌイ生地を作る。プレ発酵生地に卵、溶かしバター、残りの小麦粉を加え、塩を少々入れる。

4.小麦粉のだまがなくなるまで生地をよく混ぜ、残りの牛乳を入れたら再び混ぜる。生地をラップで覆い、暖かい場所に置いてさらに1時間膨らます――生地はもう混ぜないで。

5.さあ、ようやくブリヌイを作ろう。熱したフライパンにバターを塗り、お玉1杯分の生地を流しこむ。すぐに表面に小さなぶつぶつがたくさんできる。そしたら、「レースのような」パンケーキを作ろう。

6.きつね色になるまで両面を焼く。中火にすること。パンケーキは1枚焼くのに2、3分かかるので、スピードアップするためにフライパンを2つ使おう。

7. 生地を使い切り、美味しそうなふわふわのパンケーキがたくさんできるまで続けよう。

8.酸味のあるブリヌイをそのままで、あるいは、バターを塗ったり、少し甘酸っぱいカッテージチーズを包んでいただこう。サワークリームとカッテージチーズを混ぜ、お好みで蜂蜜とバニラシュガーを加えてもいい。

9.ハンドブレンダ―で生地を作ると、とても滑らかで均等な堅さになる。パンケーキの表面にスプーンを2つ置き、筒状に巻く。

10.残りの生地も同じように巻いていき、温かいまま、あるいは冷たくしてから出す――黒スグリやクランベリージャムともとてもよく合う。プリヤートナヴァ・アペチータ!(どうぞ召し上がれ!)

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