前にロシア・ビヨンドで、「モスクワの賃貸物件探しのコツ」を特集したが、今度はその先を行こう。あなたが、ロシアで最初のアパートなどの不動産を買うにはどうすればいいか。「餅は餅屋」というわけで、我々は、政府系住宅金融機関「AHML」の専門家に話を聞いた。
ロシアでは、外国人や外国企業が不動産を購入することは禁止されていない。ただし購入禁止の区域もあり、その主なものは、耕作可能な農地(レンタルはできる)、国境地帯、石油・ガスの産地、軍施設内のエリア、国立公園、いわゆる「閉鎖都市」などだ。
ここで前もって言っておくが、不動産を購入して登録しても、永住権などの新たな居住上のステータスが与えられるわけではない!両者は全然別の手続きを要する。例えば、ビジネスビザでロシアに滞在している場合、かりにあなたが不動産を買っても、ビザが変わるわけではない。
建設中の物件がお買い得
ロシアではまだ建設中のアパートを購入するのはよくあることだ。こういう場合は、建築会社は自己資金または借入金を投資するのではなく、将来のアパート所有者のお金を投資することになる。現代ロシアのマンション事業は、こういう形態が多い。
もちろん、まだ建設中のアパートを買う場合は、入居準備が整うまで待たなければならない。これは実際不利な点だ。だがその代わり、内装なしの段階で買い、まったく好きなようにインテリアを整えるといったこともできるから、あなたのドリームマンションの最終的な形をかなり自由に決められる利点もある。
さらに、建設中の物件は、完工したものよりもずっと安く買える。ただし、建設会社が資金繰りに困り、建設が長引いたり、放棄したりということのないよう、業者を慎重に選ばなければならないのはもちろんだ。
竣工しているアパート
竣工している良い物件を買えたら、あなたはついている!とくにモスクワ、サンクトペテルブルク、ニジニ・ノヴゴロド、カザンなどの大都市では、竣工間際には、良い物件はあまり残っていない。
だから、あなたが「見て触れる」物件を購入したいなら、「中古不動産市場」から探さなくてはならないかも。
ワンルームか20部屋の大マンションか
ロシアで比較的最近建てられた物件には、ワンルームアパートが多く、そこでは、リビングがベッドルームを兼ねている。現時点では、2部屋以上のアパートを盛んに建設しているのは、だいたい大都市圏だけだ。
古いアパートのなかには、部屋が6~7、あるいは10もある大きなものもある。ソ連時代には、それらはしばしば、数世帯が住む共同住宅「コムナルカ」として使われた。こういうアパートは各部屋ごとにのみ販売されることが多く、しかも、実際にそこに誰が登録されている調べるのはかなり難しいことがしばしばだ。
もちろん、新居選びでもう一つの重要なのはロケーションだ!ロシア全国のさまざまな地域を比較するうえで参考になるのが、AHMLの都市環境指標。
あなたの母国語を知っている、地元不動産業者を見つけるべきだ。少なくとも大都市では、英語その他の言語でサービスを提供する不動産業者は数多くいる(個人営業も含めて)。
優秀かつ良心的な不動産業者は、あなたにとって極めて重要なアシスタントになる。彼らは、あなたの将来の不動産の登録書類(所有権証明書と取得の理由、すべての共同所有者の同意書、そして抵当権の有無など)を、しっかり確認できる。
また、不動産業者は、他に所有者が登録されていないかどうか調べるノウハウも知っている。もし他に誰かが登録されていると、突然、彼らが現れ、“自分たちの家”であなたと一緒に居住することになるかも。しかも、法的根拠は彼らの側にあるのだ!
直ちに全額支払う
これはもちろん、あなたにすぐさま全額を支払える十分なお金がある場合だ。直ちに全額払えれば、当然、煩雑な手続きから来るストレスをかなり避けることができる。必要なのは銀行口座だけだ。ロシアに口座があれば、大金を振り込むのははるかに簡単になる。
ローン
住宅ローンでは、今後数年間(または数十年)にわたり、毎月返済していくことになる。現時点の平均金利は、下落傾向にあるとはいえ、約11%。
また、不動産購入の住宅ローンを借りるのは、外国人には簡単ではない。
まず、すべての銀行がそうしたサービスを提供しているわけではない。あなたの信用情報をチェックできず、したがってその問題の有無を確認できないからだ。
しかし、ロシア最大手のズベルバンク、オンラインバンクの「Bank Tinkoff」、その他いくつか金融機関は、外国人向けの様々な特別プログラムを提供している。詳細については、地元の支店で問い合わせるか、ウェブサイトをご覧いただきたい。
自分でやる場合
不動産購入契約を結ぶには、あなたのパスポートと、あなたの国の公印確認・アポスティーユ、そしてパスポートの翻訳(公証人の認証を受けたもの)が必要だ。
もしそれらに問題がなければ、あなたの国の内務省(警察)とロシア大使館の双方で確認を受けることになる。
代理人を介して
代理人を選んで、契約締結の手続きをまかせることもできる。その場合は、ロシア人を見つけるようお勧めする! いろんな翻訳も印鑑も要らなくなるからより簡単になる。
契約自体はロシア語だし、不動産業者や建築会社と事の詳細について話し合うのも容易になる。
しかしその一方で、不動産業者や建築会社は、あなたがロシアで有効なビザ、就労許可、あるいは永住権を持っていることを証明しなければならない。だから、これらを呈示する用意もされたい。
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