Bitcoin
DPA / Vostock-photo撮影「ビットルーブル」という名称の暗号通貨が2016年にロシアで発行される予定であると、キウイ社の最高経営責任者(CEO)兼共同所有者のセルゲイ・ソロニン氏が伝えた。
決済システムのビットコインのもととなっている技術「ブロックチェーン」か、分散型暗号通貨取引所と言える技術「ビットシェアズ」を、キウイは使用する予定。現在これらのプラットフォームの試験が行われており、ロシアの法律に準拠するよう調整されている。
ブロックチェーンやビットシェアズの一部の要素は来年初めにもキウイに導入される予定で、それによって既存の処理サービスの原価を削減でき、従来型の通貨の取り引きの原価も抑えられる。また、ソロニンCEOによれば、この技術は従来型の財産関係の環境を変え得るという。財産、有価証券、その他の資産の権利を安全に譲渡できるため。
ただ、ロシアで通貨を発行できるのは今のところ中央銀行だけであると、イギリス系法律事務所「ハーバート・スミス・フリーヒルズ」のアドバイザー、スタニスラフ・グリゴリエフ氏は話す。「そのため、ロシアでは中銀の許可なく暗号通貨を始めることができない」とグリゴリエフ氏。ソロニンCEOはキウイがこの問題について、中銀の関係者と非公式に話し合ったことを認めている。
決済システム運営会社「ペイパル」は昨年9月、ビットコインの処理会社であるビットペイ、コインベース、ゴーコインとの提携を発表した。だがすべての市場参加者が楽観視しているわけではない。暗号通貨がロシアの法律で定められない限り、ロシアの決済システム運営会社「ヤンデックス・マネー」はそのような提携の可能性を見いだせないと、同社の広報担当ナデジダ・キヤトキナ氏は話す。
キウイはロシアで仮想通貨を流通させようとしている最初の会社。全世界では現在、主にビットコインが使用されている。インターネット・ユーザーは、通常の通貨や稼ぐことでビットコインを入手できる。
世界の仮想通貨の規模は38億ドル(約4560億円)に達する。だがロシアの政治家や役人はこれに反対している。懸念の理由は、テロの資金調達やマネーロンダリングで仮想通貨が使用される可能性。
ロシア連邦財務省は昨年10月、仮想通貨の使用および普及に対する罰金を定める法案を公表した。その後、ビットコインの使用を計画していた多くの企業が、計画を中止した。例えば、ロシアのネット小売り大手「ユルマルト」。だがウラジーミル・プーチン大統領は7月、ビットコインでの決済が特定の分野で可能だと話した。この話がキウイの新しいプロジェクトの開始計画に影響を及ぼした可能性もある。
仮想通貨の運用の違法性については、ベトナム、バングラデシュ、タイ、中国の政府などが、異なる時期に国民に警告を行っている。このような懸念はある程度妥当である。ビットコインは、武器や麻薬の売買のプラットフォームのある、匿名ネットワーク「トーア」の主な決済手段となっているからだ。
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