日露 ガス対話の時期

サハリンのドックに入るLNGタンカーをカメラマンが撮影=AFP/East News

サハリンのドックに入るLNGタンカーをカメラマンが撮影=AFP/East News

今年の第3回日露フォーラムのエネルギー分科会のテーマとして、アジア太平洋地域における液化天然ガス(LNG)市場の発展が選ばれた。天然ガスはアジアにおける最も有望な燃料だ。2013年、同地域における一次エネルギーの消費全体に占める割合はわずか11%だったが、これは欧州の2分の1、米国の3分の1、ロシアのほぼ5分の1に相当する。

 日本のエネルギーバランスに占めるガスの割合は20%。福島での事故後に原子力エネルギーの生産が減ったことで、ガスの消費は一気に増えた。

 日本は自国の天然資源を有しておらず、年間約1250億立方メートルを輸入している。これは約1500億立方メートルというロシアから欧州への輸出分にさほど引けを取るものではない。

 それゆえ、日本はLNGの輸出国にとって非常に魅力的な市場となっているのだが、日本へはパイプラインが通っていない。

 日本は世界のLNGの約3分の1を輸入しているので、信頼できるガス生産国とのエネルギー協力の発展を望んでいる。

 まして、隣では中国がLNGを盛んに輸入しており中央アジアやミャンマーからガスパイプラインを敷設したとあればなおさらだ。

 中国は東シベリアから380億立方メートルのガス輸入契約をロシアと結んだが、その数字はさらに増える。

 こうしたことから、ロシアと日本のガス対話は極めて将来性のあるものとなっている。

 LNG価格の低下は消費が増えることを意味する。

 ロシアはすでにサハリンで最初のLNG工場を始動させた。日本市場向けに約60%の予約契約を行ったが、実際の輸出は1050万トンの80%を上回っている。

 ガスプロムは「サハリン3」の産地で採れるガスに期待している。ユジノ・キリンスコエやその他の産地は年間200億立方メートル程度を産出可能だ。

 ウラジオストクにLNG工場を建設する案もあり、サハリン島からガスパイプラインが敷設されている。さらに、液化された形でアジア太平洋地域の市場へ輸出されうる「サハリン1」のガスもある。

 アジア太平洋地域には、新たにオーストラリアというLNGの大生産国が現れた。ロシアは価格面で豪州と張り合う用意がある。

 販売市場の多面化は、売り手にとって普通の戦略である。それゆえ、ロシアは日本市場に強い関心を寄せている。

 日本は対露制裁に加わった。韓国は加わらなかったものの、対露経済協力を怖れている、として、韓国の経済人は自国政府を非難している。日本は制裁参加でも経済協力分野で新たなプロジェクトを提案している、と。

 制裁は一時的な現象にすぎない。ガスビジネスは数十年先を見越して決定が行われる。このことからも、ガスの将来については今から話し合う必要があるだろう。